「正直どうでもいい?」

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なんてことない平和なイチャラブがいちばんクるんですよね『ゆくゆくふたり』

4866571276 ゆくゆくふたり (リラクトコミックス Hugピクシブシリーズ) タダノなつ フロンティアワークス 2018-04-13by G-Tools

ピクシブで追っていたシリーズが単行本化したってことで購入。これはいいものですよ。大学生と高校生の、先輩と後輩の、初々しいカップルがすごす四季折々のささやかな日常。ひたすら優しい気持ちでニヤニヤできる!だれも不幸になんてならない!

読めば読むほどに、自分の卑しい感情が消えていくような・・・・・・そして新しくちょっとムラムラくるような・・・。すごく健全で爽やかな関係なので、ちょっとだけ魔が差すことも許してほしい・・・。でもすごくいい本ですよ。初々しい年の差カップルで存分にニヤニヤできるぞ。

キラキラしてるんだけど、雰囲気はとても穏やか。 好き合っているふたりが、付き合いたてから一年間を過ごす。 ふたりだけにしか分からない嬉し恥ずかしなイベントも、決して派手なんかじゃない。どこにでもある風景や日常も、君と居るから特別になる・・・っていう・・・ッカァー!(耐えられない

ゆくゆく1

はしゃぐ彼女さんが全編まじでかわいい。拝んでくれ。

 

内容としては本当にシンプル。 事件なんてなんらおきないし、言ってしまえば地味。けれど彼らにとっては、大事なワンシーンはたくさんある。もっと大人になったとき、この頃を思い出して恥ずかしくなってしまうような、今しかできない一度きりの恋を精一杯に楽しんで、頑張る。

高校時代に漫画好きなクラスメイトの女子とオススメ本を貸し借りする仲になったときに相手の紹介でこの漫画に出会ったりして「ああ、こういう漫画も好きなんだ…」ってときめいたりしたい、そういう漫画ですかね。これは純度100%の妄想。

単行本になりましたが、いまでもWEB上で無料公開されているエピソードも大量にあります。公開されている分だけでもチェックしてみてはいかがでしょうか。

無料公開分はこちらから→https://www.pixiv.net/user/4455592/series/10214

最初タダノなつ先生の漫画を読んだとき(たしかツイッターでタイムラインに流れてきた)、今井哲也先生の別名義かと思ったくらい自分の目は節穴だったんですけど、どうやら今井先生のアシスタントをしていたこともあるようです。この系譜のタッチ、すごく好きなんですよね。それでこんな可愛すぎるラブコメ漫画を描いてくれるなんて。どストライクですよ。

主人公であるふたりが愛くるしいことはもちろんのこと、なんてことない日常のなかで湧き上がってくる些細な感情も丁寧に拾い上げていく。四季が大切に描かれていることも含めて、なんてことない日常が紛れもなく彼らのとっての宝物なのだと、まばゆいばかりに訴えてくる漫画なのです。 初彼氏・初彼女の初心者カップルならではのプレミア感で満ちている。毎日が、付き合ってからはじめて訪れる一日なのだ。ささいなことでもすべてが嬉しくて仕方ないのだ。

もっとイチャイチャしたいけど、まだ気恥ずかしいし、もしかしたら変に思われるかも・・・なんて2人揃って考えて赤面しちゃうような2人が最高にかわいくてニヤけてしまう。なにもかも初めてだから、彼氏彼女としてどう振る舞えば正解かもわからないのが、たまりませんね・・・。

ゆくゆく2

癒やされますわ・・・。 年の差をちょっと気にしてる距離感もまたツボなんですよ。

 

しかし欠点があって(いやムリがあることは百も承知で・・・ せっかくそれなりに高いコミックスなのだから、もっと描き下ろしがほしかった。それと、未収録がちょっと多くないですか・・・?特別編だって収録してほしかったんだよ・・・!まぁWEBでいつでも読めるんで些細な問題なんですけど、でも網羅してほしかったのが本音だ。

しかしこのコミックスから読み出すならまったく問題はない。

悪く言ってしまえば、どこにでもありそうな日常しか描かれてない。人でもそういう漫画を楽しむことができる幸せというのも確かにあるはずだ。なんてことないイチャラブが1番好きなのだ。いつまでたっても幸せでいてくれそうな、かわいい2人が好きなんだ。

季節感がめいっぱい味わえる背景描写もお気に入りです。ここの雰囲気作りでぐっと作品の魅力が底上げされている。それとカバー裏はちょっとだけ本編よりも進んだ2人が見れる、ほんのりサービスカットあり。

 

そして漫画冒頭が、時系列でいうと一番最後というのも憎い演出です。

本編でふたりがこうなりたい、こういう関係でありたいという夢を少し語るのですが、数年後の彼らをそれを少しだけ叶えてくれている。 そしてこれからもっと叶えてゆける。 ゆくゆくは、どんな2人になっているのでしょうね。