コミティア144に行ってきて漫画熱が上がってきたので久しぶりに漫画感想でも書こうかと…。ちょうど、最近コミックスを読んで気になる作品がありました。
ヤングアニマルが雑誌として自分にマッチする作品が増えているんですが
なかでも作品の勢いと個人的趣向によりかなり心つかまれている作品。
サンデーでやってた「ムシブギョー」も好きだったので、納得感ある。
本作、取り扱っている音楽ジャンルがなかなかに尖っていて、
例えばお嬢様との激しいギャップを演出するならメタルだのパンクだのメロコアだの
おっさん好みなジャンルと合体させることまでは考えられるかと思うのですが
この1巻で登場する楽曲は「ghost dance/LITE」 と「YOUTH/mudy on the 昨晩」です。
ここでインストバンド、しかも残響系ポストロックまで持ってくるのウソでしょ。
うおおお240pとか480pが精々なこの画質たまんね~~~~!!!
まずこのチョイスに一撃食らう感じですよね。
シーンとしては当時めちゃくちゃ存在感があったものの
それを商業漫画媒体でフィーチャーされるのは個人的にかなり驚いたポイント。
感覚的には2008年~2012年くらいの期間に9mmとか時雨がぐ~っと伸びていった一方で
そこに近い界隈としてマスロックとか残響系と呼ばれるバンド群が注目を集めていて、
その中のさらに狭い所にインストポストロックバンドがいたという認識。
渋ィとこ突くねぇ!って感じでニヤニヤしちゃうんだよな。
はい、私は当時めちゃくちゃそのへんに沼る大学生でした。
最もハマったのはtoe(歌モノだとpeople)でしたが、ほかにもte'とかregaとか、本作に登場するLITEも昨晩もまさに当時聞いてたのでうれしいです。
いや全然しらねぇ!って人は東京喰種アニメ主題歌曲っぽい感じと思っていただければ、まぁ遠くはないかも……。
ポストロック。タイトな演奏が要求される難解なジャンルでありつつも
楽器隊が混然一体となってライブで練り上げる熱狂空間はさながら知性と狂気の悪魔合体。
でも考えれば考えるほどにポストロックはお嬢様なんですよね。
男性的な臭さが漂う音像でもなく、ヒステリックでも狂気的でもなく、
隙間を縫うような楽器同士での鋭い殴打…切り裂くような疾走感…バンドなんだけど各々の孤独の匂いが絡みつく……攻撃的かつしなやかで……鬱屈とした青春期の残り香がそこに感じられる……なんというか…”佇まい”なんだよなポストロックってのは(ろくろ回し)
暴論ですがそれはつまりお嬢様にも通ずる、ポストロックは淑女の嗜みというのはあながち間違いではないのだ。暴論すぎるだろ。
ストーリーとしては2人が出会い、バンドが結成されるという王道展開だが
お嬢様とポストロックという組み合わせはいかんせん見たことがないので単純にどう進むか楽しみ。
どのバンドが登場するかはもちろんだし、
ボーカルがないということで一般のキャッチーな楽曲は難しいかもしれないが
お嬢様なのでクラシックのカバーもできるかもしれない。→Pia-no-jaC←的に。
演奏シーンは技巧派というわけではなく熱量重視な描写ではあるものの、そのテンションがメチャクチャ高い。(一話読んでもらった時点でもわかると思う)
ムシブギョーのときのような我武者羅にヒートアップしていく描写力がいかんなく発揮されている。
演奏後に豹変して口がめちゃくちゃ悪くなるのはやや誇張されてる感はあるが、演奏後に感情むき出しで黒髪ロングお嬢様がファッ×サインしながら罵詈雑言をはくの、アニメで見たいなー!
なるほどこれはお嬢様ですわ。(か?)
あとは主人公の境遇や家庭環境が大きな物語の軸になりそう。2巻への引きとして血の繋がらない妹ちゃんが登場したこともあり、彼女のリアクションも楽しみですね。バンド編成としてあとはベースとキーボードが欲しいという話になっていましたが、ヴァイオリンが加入するのも音楽的におもしろそうだなー。母親のほうがなにやら根深そうなのでラスボスか……。
なんか漫画の感想なのか音楽のこと書いてるのかわからなくなってきましたが
ともかく、めちゃくちゃ楽しめる音楽漫画が始まったので、続きも読んでいきたいですね。
ぼざろもそうだったんですけど、同世代のクリエイターであったりリアルタイムで浴びたカルチャーが漫画・アニメにどんどんと出てきていて年齢を感じさせるのとそれ以上に楽しみが増えてきちゃいましたね。
あとメロンブックス限定版でついてくるアクスタが洒落ててよかったです。2巻以降も別メンバーでつけてほしい。