「正直どうでもいい?」

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今日もふんわり、大切な時間を重ねていこう。『喰う寝るふたり住むふたり』2巻

喰う寝るふたり住むふたり 2 (ゼノンコミックス)喰う寝るふたり住むふたり 2 (ゼノンコミックス)
(2013/03/19)
日暮 キノコ

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   俺はリツコが例え…例え男だとしても好きだっ!! 交際10年同棲8年。ますます味わい深い恋人同士の生活。 「喰う寝るふたり住むふたり」2巻の感想です。 ずっと一緒に暮らしてる、でも結婚はしてない2人の、男女別々の視点からイベントごとを見ていくサッピング構成が楽しいシリーズ。 俺はこの作品を遠い星の出来事をながめるように楽しんでいるわけですが 本当に胸がほのぼのと暖まる、リアルで等身大の優しい恋愛漫画ですねえ。 1巻→同居8年目のあったか優しい日常。『喰う寝るふたり住むふたり』1巻


さて、1巻の感想で「2人の性の話が読みたい!」と書いた私ですが! それがさっそく叶ってしまった…俺のテンションはいきなりクライマックス!! こういう、超個人的でセキララな性事情を読むの大好きなんですよ(ゲス顔 ちょいとセックスレスな2人のすれ違いを描く「のっぴきならぬ事情」シリーズは前後編でページ数も多く、非常に満足いく出来! 付き合いたてのカップルでもない。体力も減退気味。仕事だってある。 若かった頃みたいに求めることに照れだって出てきて… リツコはきっと人並みだけど、のんちゃんは結構、性欲薄いタチ。 男と女。いろんな事情は違う。それぞれの思いや悩みが交互に描かれ、セックスレスに立ち向かう男女の意識は立体的になり、さらに面白くなっています。 喰う寝る21 悩みまくりのリツコさんには申し訳ないけれど こうしてめそめそ自意識や羞恥心と戦う彼女は、めちゃくちゃ可愛かった! しかし彼女さんがこんなに苦しんでるのに、彼氏さんは「気が乗らないから」ですからね!「気合出せやオラ!」と思わんでもない。 のんちゃんの愛が薄いんじゃない。リツコを大切に思っているのは間違いない。けどどうにもそういう気分になれない。Hな気分にすぐ切り替わるスイッチがあればいいのにね。 エピソードの終盤、見事「カッコーーン」とのんちゃんのスイッチが入るのですが、そのきっかけってのがまた…ね!えへえへ! 喰う寝る23 8年も同棲しているのに、その長さが逆に気恥ずかしさを生んじゃってる。 あーかわいい!こいつらかわいい! 愛と性欲はイコールではないけど隣り合ってるかそれに近しいポジションにあるものじゃないかな。いや知らないけど……。(台無し) …だからこそこういう問題は、愛し合ってるのに意見が合わなくて、すれ違ってもどかしい。 でもあー。やっぱり円満で2人とも幸せそうな人間関係って、見ていて幸福エネルギー分けてもらえる気分になれます。 飲み屋のおっちゃんがこっそりと「今晩母さん抱こう…」と涙流しながら決意してる場面も好きw このエピソードは特にですが、男女の視点が切り替わるサッピング構成が本当にこの作品のポイントになってますね。いい作用をもたらしてくれます。 すれ違う時は本当にやきもきさせられて、 そしてその気持ちが重なり、盛り上がる時の幸福感は凄まじい。 男と女。別々の違った感情持ち寄って、寄り添って、一緒に暮らす。 それぞれの言い分が理解できる。そのエピソードごとに2人とも違った感情がしっかり描かれていて説得力がある。 きっかりと「今回は男視点だ」「今度は女視点で」と分けられてるので、読む側としてもどちらにも平等な愛情と理解を注げるという感じがする。 このエピソードで印象に残ったと思ったのが、ちと癪でもあるけど、小熊さんのした話でした。 セックスに向き合うとき、男と女でそりゃ立場は当然違う。 女性がその限られた時間を、一途に自分にだけ注いでくれているんなら、男側のどんな言い訳もきっと通らない。 うん、なんか全力で「なるほど!」と受け取ることはできずとも、ひとつの意見としてはまっすぐ説得力があるなぁと。 …と、だいぶ背伸びして感想書いてきたので、これまで書いてきた文章の後ろに「よくわかんないけど、そんな感じじゃないかな…わかんないけど…」と自信無い一文を付け加えておきます。


他に好きだったエピソード。 第9話「お試しファミリー」は親戚の子供を一晩預かった2人の奮闘が面白いお話でした。自分たちの今の生活に子供が加わることで、2人の意識は結婚へと深まったように感じましたね。子供を相手にすることで、これまで見れなかった2人の慌てぶりが見れたのも良かった。 リツコなんか、子供は苦手だって言っていましたけど、褒めるとこ褒めて叱るとこ叱れていて、毅然としたいい母親になれるんでないの。 そして「リツコと子供を作る!!」って決意固めちゃったのんちゃん。 もうさっさとプロポーズしよう!な! リツコも結婚バリバリ意識してたしなー。 喰う寝る22 Hのこと。食事のこと。子供のこと。将来のこと。 2人にとって大事なことに触れていった、読み応えある内容でした。 カップルだからこその男女の距離感と生活感で、男と女でそれぞれのドラマを描き出していく「喰う寝るふたり住むふたり」の魅力が今回も出ていましたね。 ただ、結構重要なネタをここまででやった感あるので、3巻以降でテンション落ちてこないかなーと少々心配だったりもします。どうなるか。 人と人がつながるということ。一緒に暮らすということ。共に生きること。 今回も、胸がホッコリ暖まる本でした。 カップルの生々しい話題も出てきましたが、個人的にはこういうのが嬉しい。 『喰う寝るふたり住むふたり』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆ いい調子の2巻目。カップルのナマな部分が楽しめる。