「正直どうでもいい?」

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懐かしい曲語り:JOY/YUKI

前回 

 

こんなの思いついたときに書き出さないと全然量産できないんだな!という事で無理やり書き出した2回目。YUKIにしたのは、サブスクでまたジュディマリを聞き直すマイブームが起きているからだ。パワーソース~ポップライフあたりの時期が好きです。

「JOY」はYUKIがソロになってからの2005年にリリースされたシングル曲。

JOYって自分のなかでは「埋もれてる名曲」ポジなんだけど全然そんなことなくスポティファイだとYUKIで一番再生されてる曲だった。まぁ、そうか…。

 

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このPVも、むかしからよくYoutubeのおすすめ欄に上がってくる。もう、脳みそにシミができるくらい、聞いてますけど。

このリリース当時のYUKIは本当にイカれていて、2005年1月にシングル「JOY」、2月には3rdアルバムの「joy」がリリースされ、そのあとにも4月「長い夢」6月「ドラマチック」9月に「歓びの種」と頭がおかしくなりそうな名曲ラッシュと活動ペースだった。

で、自分はアニメ版「ハチミツとクローバー」のオープニングテーマであると「ドラマチック」のCDを最初に手に取った。アニメ版のきらめきがそのまま歌い上げられているかのような素晴らしい一曲。そしてそのCDのB面にライブ音源が収録されていたが「JOY」だった。そこからYUKIのフルアルバムの過去作をあさるなり、ジュディマリの全アルバムを買いに走るくらいにハマっていくわけだが、「JOY」の最初の印象としては、地味だけど気持ちいい曲だなー程度のものだった。

個人的にYUKIの歌声ってサイダーのような感覚があり、一口飲んでパーンと伝わる美味しさのような魅力があると感じる。ずっとそればかり楽しんでると飽きが来るんだけど、少し経ったらまたあの歌声が恋しくなるみたいな。ず~~~っとリピートし続けて聞きまくるタイプのアーティストではない。(あくまでも個人的に)

ジュディマリの実験的かつキュートなガールズギターポップ路線も大好きだし、ソロ1stのダウナーでオルタナなムードも、2ndのアコースティックかつ包容力ある仕上がりもどれも好きだったが、でもそういうものとして、大好きなアーティストだ。

でも3rdアルバム「joy」は段違いにリピートした。ダンスミュージックへの傾倒とバンドサウンドへの回帰のようなテーマがとてつもない完成度で達成されていて、マジでサウンドが好みすぎてずっと聞けた。スウィートセブンティーン、キスをしようよ、ティンカーベルあたりはアルバム曲ながら欠かせない名曲だと思う。しかしややこしいな、アルバムが「joy」でいま言及してるシングル曲が「JOY」です。

 

 

アルバムごと繰り返しきいていくうちに、以前にはとりたてるほどの思いはなかった「JOY」が、気づけばもう5回10回とこればかりリピートしてしまうほどにハマりだす。その延長で、その陶酔が、いまもずっと続いているような感覚がある。

この曲の歌詞って、あえて言ってしまえば、何も言っていないのと同じなんですよね。ドラマ性もとくになくて、ずっと浮ついているような、かわいいのとちょっとけだるげなのと、ポジティブだけどでも離別の香りも漂わせる。そもそもラブソングのようでもあるし、ぜんぜん違うほうを見ている気もする。その捉えどころの無さが、どんな気分のときにも聞ける秘密なのかもしれない。

それといまライブなどで歌われるときには、いちぶ歌詞を変えている。というかリリースわりとすぐに変えて披露しだした。

 

「運命は必然じゃなく偶然で出来てる」というフレーズが
「運命は必然という偶然で出来てる」という風に変更された。

 

まるで逆の接続詞に変更され、このフレーズの意味そのものも変質した。しかもこのフレーズって曲中でも人生観を強く打ち出している、まさに核心の部分だと思うのだが、それをあっさりと変えてしまった。それも、きっとYUKIは確信をもってこれを変更して見せている。

この記事を書きながら思い出した、自分がこの曲を大切に思うのは、なによりこの歌詞の変更によるところが大きい。こんな重大な部分を後出しで変えてもいいんだし、なんなら変更後のほうがより自由で、悪く言えばてきとーなことを言っている。それでいいんだ。YUKIの歌詞は少女的で美しくて、でもこういう思い切りの良さもたまらない。のびやかで美しい。

 

 

歌詞に触れたが、この曲の中毒性は反復するメロディがメチャクチャ気持ちよくてキャッチーだという点も大きい。

ミニマルな展開を繰り返しながら、ちょっとしたおふざけや茶々も入れながら(それが照れ隠しのようにも感じられる)、でも生きることの神髄を軽やかに歌ってしまっているかのようなドキッとする感触があるのだ。思いのほか大人びた表情を見てしまった瞬間のような、児童文学のふとした一文で涙してしまうような、そういうギャップと切れ足がある。

ポップでミニマルで深い曲、自分の中ではレキシの「きらきら武士」とかくるりの「赤い電車」とかも同ジャンルとしてフォルダにしまっているんですけど、皆さんはどうですか。(いやきらきら武士は違うだろって言うけどディヨンナの歌声による加点だから。。)

 

よしじゃあ好きなYUKI関連の曲貼っておわるか!

 

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ランデヴー

 

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手紙を書くよ

 

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風に吹かれて

 

 

「風に吹かれて」の歌詞はYUKI史上最高傑作だと思っている。センチメンタルをすべて包み込んで歌い上げられる「もし生まれ変わってちがう私でも 永遠に 銀河の風に吹かれて…」というフレーズの軽やかさと奥深さよ。。

へんに悲しがることも強がることもなく、悲しみとわたしのつながりがそのまま銀河にまで伸びていき、真理にまで触れてしまうかのような、達観性と開放感が最高にYUKI文学少女って感じがする。YUKIの魅力はそんな奔放さとナチュラルさだと思っていて、その極地かもしれない。

世代としてはあまり被っていないと思われるが、JUDY AND MARYの「くじら12号」が幼少のころから頭にこびりついて離れない、そのまま今でもYUKIが好き。

TAKUYAもYUKIも、もう50を超えたってんだから驚きである。いろんな確執の噂は耳にするが、それでも、1度だけでも、再結成を夢見ずにはいられないな。