「正直どうでもいい?」

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懐かしい曲語り:月飼い/ポルノグラフィティ

以前、J-POP20年ベスト30を個人的に作る記事を書いた。

この記事中ではシングル曲あるいはMVが制作されたいわゆるリード曲であることを条件に選定していた。

思えば自分なりに縛りがないと決めづらかったのだが、ここで本当に正真正銘になんの縛りもなくマイナーメジャー問わずに好きだった曲を集めてみよう。と最近になって思いついた。

順位もなくただ自分が懐かしいと思う曲を放り込むだけ。自分だけにぶっささるプレイリストを作りたいなとチマチマ昔のことを思い出しながら曲を探している。

そうしているうちにやっぱり懐かしい曲にはそれなりに語りたいこともあり、今日はそんな感じでブログを書き出した。勢いだよこういうのは。

 

 

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ポルノグラフィティの「月飼い」。

言及したことがあったかなかったかは忘れたけれど、初めて小遣いで買ったCDは「メリッサ」だった。この曲はシングル3曲目に収録されているカップリング曲だが、メリッサと同じかそれ以上に好きな曲だった。

 

ハガレンのアニメを見てそのまま買いに走ったのは当時のキッズの定番ムーブなのかもしれないが、そもそもキッズなのでカップリング曲なんてものの意味がわからず、最初はなんか知らん曲だからあまり聞く気もせず、メリッサだけをたくさん聞いていた。キッズなのでほかのCDもたいして持っていないので、やはりメリッサばかり聞くのにも飽きて、せっかくだしと2曲目「見えない世界」と3曲目「月飼い」も聞いた。

正直いってメリッサと同レベルでカップリング2曲ともメチャクチャいい曲だった。

そこからポルノグラフィティというアーティストへの興味が増していき、ちょうどよく発売されたベスト盤青リンゴ・赤リンゴを2枚とも購入した。中学1年生のころにまじでずっとこのベスト盤2枚を聞きまくっていた。いまだに全曲歌詞を見ずに歌えるし、イントロクイズもわりと勝てる気がする。じっさい大学サークルでたまに音源持ち寄ってイントロクイズあそびをやっていたが、ポルノは得意中の得意だった。

 

特定のアーティストの深みにはまり込む、そして音楽への興味を広げられた、そのきっかけになってくれたのがシングル「メリッサ」だし、この「月飼い」なんだよな。

 

この曲の魅力はなんといっても歌詞だろう。もちろん夜感たっぷりとサウンドもアキヒトの歌唱も渾然一体となってこの曲を素晴らしく仕上げているんだけど、この歌詞なんだよなぁ~……

月を飼うのと真夜中に
水槽を持ち出して窓辺に置いた

この一節の歌い出しから一気に引き込まれて、そしてタイトル「月飼い」の意味に気づくような構成。

ちょっと文学的な匂いがするのと、密やかな夜の儀式、その寂しく怪しげなムード、、、これが12歳マインドを直撃する。歌詞で描き出す場面がカッコよすぎるんだよな。

東から漕ぎ出した舟は
やさしい夜風を受けて
西へ行く遥かな時間を
たゆたう想いを乗せて

しかしこれがまたさすがの作詞家新藤晴一、サビで一気に光景が広がる。部屋でひとり水槽を眺めていたはずが、まるで夜の大海原かはたまた違う世界なのか、曲の展開と合わせていっきに視野が広がり、おおきく動き出すようなスケールを感じる。12歳はもはやわけも分からず勃起する。

 

2番からは「君」が現れる。しかしどうやらすでに去ったらしい。じゃあ今はどこにいる?そんなミステリーが始まり、しかしフレーズひとつひとつ、全てがまるで終わってしまったことを惜しむように語られていく。

2番サビ、これがまた泣けるのだ。

朝が嫌い 君が言ってた
全てを白々と見せる
はじらう夜 ウソも痛みも
綺麗に隠してくれる

このあとギターソロに入るんだけどこれもめちゃくちゃいいプレイ、まじで音楽でここまで感情を表現できるんだって気持ちに未だになる。

 

そして「僕」は、水槽の水を捨てた。月を空にかえした。

恋人よ 最後の恋人
その舟にちゃんと乗れたかい
恋人よ 僕も向かおう
歩くスピードで近づこう

 

 

………くぅ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

 

当時はこの曲がもつ、おそらくは死別であろうドラマ性をはっきりと読み解くことは出来ていなかった。けれどキッズながらにこの曲の開放感と、それから大きなおおきな喪失感にメチャクチャ痺れてしまっていたのだ。このラスサビのアキヒトがまた泣ける歌いまわしをしてるんだコレが!「その舟にちゃんと乗れたかい」の所とか最高だよ!!

シチュエーションとしてはとても女々しいんだけど、「恋人よ 最後の恋人」という所のまるで勇敢な宣誓のような言い回しがまたニクい。ベタもベタ。それが良いのだ。君のことを忘れられない僕のまま、歩くスピードで近づこう。

 

そんなこんなで12歳の自分が音楽にドはまりするきっかけになった、そんなに知名度はないけど大切な1曲「月飼い」の話でした。

 

 

いや、この記事書きながら聴き直してたけどマジで「月飼い」いい曲だな。ポルノのカップリング曲はいい曲多いんですよ。

隠れ名曲が多いということは当時から言われていたけども、当時はレンタルや中古で古いCDを手に入れるしかなかったけど、いまやサブスクですぐにアクセスできるんだから本当に楽になったなぁ。

ポルノのカップリング曲といえば「冷たい手~3年8ヶ月~」「天気職人」あたりも好き。サウダージのシングルとかあれもうミニアルバムみたいなまとまり方してるもんな。

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また書きたい曲が出てきたら同じような記事を書くかもしれない。けっきょく昔語りと思い出がたりがなぁ~~~~~楽しいんだよ!