「正直どうでもいい?」

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料理で広がる彼女のせかい 『高杉さん家のおべんとう』2巻

高杉さん家のおべんとう 2 (MFコミックス)高杉さん家のおべんとう 2 (MFコミックス)
(2010/06/23)
柳原望

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   何とでもなるの 何でもね やったー、久留里ちゃん無双のおべんとう漫画「高杉さん家のおべんとう」2巻が出たよー。 19歳年下の女子中学生との同居…と実に魅力的な設定の本作ですが インモラルをほとんど感じさせない、優しく爽やかな家族愛漫画です。 (ところで1巻表紙も狙ってたけど、今回はさらに精度を上げてきてる気がします。いろいろと) 恋の自覚も持ち始め、すっかり恋する乙女な久留里ちゃん。 どんどんと変わっていく彼女を見るのは、本当に楽しいですね。 この2巻ではさらに積極的なコミュニケーションをとってくれるようになります。 そうしていくのが、「料理」「おべんとう」で繋がる絆なんでしょうね。 料理と言うのは、心を満たすものなのです。 それが一番強く感じたのが第9話でしょうか。 温巳のことを名前で読んだことがない久留里。 それを高杉が気にしていることを、またさらに気にしている久留里。 けれども今日はクリスマス。名前なんか呼ばれなくても、ささやかな幸せが家庭を包む。 名前なんて、無くてもいいじゃないか。 満足して、そう思ってしまう温巳なのでした。 そして翌朝、久留里からのクリスマスプレゼントは、お弁当。 20100628235631.jpg(クリック拡大) 海苔で書かれた温巳の呼び名、ハル。 初めて久留里から届けられた自分の呼び名は、おべんとうにあったのです。 この作品の象徴するようなシーンですねw しかもまだ久留里は、彼女の口から「ハル」と呼びかけていません! もう一段階進めるのはいつなのか、楽しみですね…! というか上のシーンの久留里が可愛すぎて俺どうかなりそうなんですが。 まったく見ず知らずの人から料理を教わったり、友人と2人山を歩いたり。 初詣に行ったり、熱を出してしまったり、丸宮君に思い寄せられて困ったり、いろんな出来事を通じて新しい久留里が見えてきて本当に楽しい。ほっこりです。 周りとの距離のとり方があまり上手ではない彼女ですが 彼女なりのやり方、ペースで少しずつ世界を広げていっていますね。 印象的だったのは第14話。 新しい関係を築くエピソードが多い中、ここでは改めて、温巳と久留里の距離を描いてます。 料理というのは、凄く自然に日常に溶け込んでいて、そのありがたみを忘れがち。 ごはんを作る人、一緒にごはんを食べる人…そんな楽しい「あたりまえ」な時間。 でも2人は、それが突然に失われることを、知ってしまっている。 20100628235628.jpg(クリック拡大) 共有するのは、孤独の寂しさ。 けれど傷をなめ合うことはしない。 2人は2人の新しい関係の中で、また一歩、家族になっていく。 1巻からさらに恋愛分が上がり、楽しませてもらいました。 かつ関係をひっかきまわすライバルキャラ?丸山兄弟も登場、眼が離せませんね。 ただ恋愛も良いですが、この作品の本質は恋愛ではないと思っているので あまり深くそちらに向かわれるとちょっと残念かも? 特に大人同士のそういう要素が入ってくると、…悪くないですが、なんというか。 今くらいがちょうどいい塩梅だと思っているので、この調子で進んで欲しいです。 温巳もヘタレ化が目立ってますねw本当に残念男w でも今回だって、彼の些細な一歩がなつ希ちゃんを救いました。 1人のほんのちょっとの勇気で、いつもと違う1日ができる。 なにかを変えるには、十分な時間です。 3巻はもっといいトコ見せて欲しいですねぇ! もちろん、当ブログは久留里ちゃんを全力で応援いたします! 20100628235616.jpg どうかと思いますよ、このかわいさ!高杉さん家のおべんとう』2巻 ………★★★★ 小さな世界がゆっくり花開く。ずっと見守っていたい、そんな漫画です。