「正直どうでもいい?」

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2つの仮面で隠した弱さ。それとさわさわ、ふにふに、ちゅぴちゅぴ 『アマガミ Precious diary』1巻

試験目前。というかもう当日。

アマガミ 1―Precious diary (ジェッツコミックス)アマガミ 1―Precious diary (ジェッツコミックス)
(2010/06/29)
東雲 太郎

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   あなたを あたしのものにします 黒髪ロングストレート娘はもはや存在そのものがご褒美です(キリッ 漫画ブログ界隈では黒髪ロングファンはごろごろいらっしゃるわけですが 自分もそんな黒髪ロングファンです。Twitterの現アイコンも黒髪女神である二見さん。 さてそんな女神様を生み出したスタッフによる最新作が「アマガミ」であり そのパッケージヒロインとして抜擢されているのが今回の絢辻さんなのです。 あ、前フリがウザいですか。 あらゆるクラスの仕事を率先して行う優等生、絢辻詞。 その姿をただ見つめることしかできない橘さん(敬意を込めて)でしたが ふとしたきっかけから絢辻さんの仕事を手伝うことに。 2人でいる時間も増え、徐々に絆も深まっていきますが 放課後の教室に落ちていた誰かの手帳を拾ったことにより、とんでもない事態に…! えーとまずは絢辻さんがかわいくてしょうがありません。 まず冒頭から髪フェチ垂涎の髪さわさわイベント。 ゲーム本編から自分も大好きなイベントですが、これがまた素晴らしい。 髪を触られて、徐々に変化していく絢辻さんの表情が…! 困惑から確実に心が動き、最後には顔を真っ赤にして橘さんをストップ! 流石の優等生も、橘さんの変態おねだりにはお困りのご様子ですな!!(笑顔 そしてさらにこれ。 20100721225055.jpg これですよ。 はしゃぐ絢辻さんというのは非常にレアなのですが、これは実は違うんじゃないかと。 おぶられている恥ずかしさを紛らわすための行動なのですよ!(たぶん 他人の目があるためか、または助けてもらっているという精神的な問題もあるのか 彼女本来の方法を使って、気持ちを紛らわすことができないのですね。 というわけでこんな不器用ハイテンションな絢辻さんなのです。可愛くてもう胸が熱い!!


んでちょっと真面目な話。軽くネタバレ入ります。 絢辻さんは仮面優等生であり、「優等生を演じている」というキャラクターです。 次から次へと仕事を引き受けるのも、先生や生徒たちからの支持を得るため。 まぁそんな絢辻さんですが、世渡りうまそうに見えて…いや実際うまいんですけど 最初から、心からそうなりたいとは望んでいなかったのでは、と。 本質的な部分では、彼女はまったく器用じゃないように思うのです。 それは橘さんと出会ってからの彼女の変化でも読みとれるかと。 橘さんに対しての彼女の行動は、かなり子供じみています。 いや、子供じみてるというよりも、過度なコミュニケーションを求めているというか。 恐らく初めて出会う感情が、彼女を惑わせているんでしょうね。 絢辻詞という人物は、単純な仮面優等生ではない気がする。 「優等生な自分」「そう見せている計算高い自分」という 二枚の仮面で、弱くて本当は泣きそうな自分を、必死に隠してる。 もしかしたら彼女自身、本当の自分を見失ってしまっていたのかもしれない。 弱い自分を隠すためのウソが、いつしか自分すらも騙してしまっていた、と。 それがふいに溢れてしまったのが第7話の涙だったのかなぁ。 いつも一人でいた。一人で立ち向かうしかなかった。 そんな生き方しか、知らなかった。 けれど今、一緒にいてくれる人がいる。損得勘定無しでただそう望む、お人よしの馬鹿が。 初めての存在。初めての感情。 そしてきっかけはほんのわずかな嫉妬。 そしてふと一人になってしまった時、隠していた、抑え込んでいた気持ちが爆発。 20100721225025.jpg 「もう一人は嫌……」 孤独から抜け出したからこそ、孤独の辛さを理解してしまう。 この瞬間の彼女は、あまりにも弱い存在になってしまっています。 不安で不安でしょうがないんでしょうね…こういうのはやはり子供っぽい。 普段の彼女が凄く大人びている分、こういう振る舞いが凄く胸に刺さります。 本当の優しさに触れて、そのぬくもり無しではいられなくなってしまった。 変えられてしまったんですねぇ、無自覚なあの主人公にw そして必要以上を求めてしまうようになる。 もっと近く、もっとそばに―――――もういっそ、自分のものにしたい。 20100721225045.jpg (クリック拡大) そしてそれに応えてみせた我らが橘さんやっぱりカッコいい。 (明らかに絢辻さんのいいなりでこうなっちゃった感もあるけど気にしない)


キミキスは1巻完結で巻ごとにヒロイン交代という方式でしたが 今回は1巻では終わりませんでした。なかなか驚き。 ですがその分丁寧にじっくりとキャラクターを描いてくれているので非常に好感触。 東雲先生は漫画版キミキスからの続投ということで、 キミキスが好きだった人にも問題なくオススメできる作品になっているかと。 今回はあいらんどで掲載されたキミキス番外編も特別収録。 これを機にキミキスファンも増えて欲しいですねぇー。 原作の高山先生のイラストは素朴で清涼感ある作風なのですが 東雲先生の描くキャラは非常に情熱的かつ肉感的。 一見方向性が違うようにも思いますが、これが素晴らしい組み合わせだったりするのです! そして今回もキスシーンは素晴らしいクオリティでしたよ!(やっぱりそこ 『アマガミ Precious diary』1巻 ・・・・・・・・・★★★★ まだまだ健全な橘さんですが、丁寧な仕上がりでお気に入り。 絢辻編後半にも他ヒロインにも期待大です!