「正直どうでもいい?」

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さよならを歌う 「ソラニン」感想

4月17日、映画感想アップしました → 


今回のは2年前、07年8月20日に記事にしたものの改変verです。 あれから結構な日数が経ちましたが・・・書きたいことが増えてしまってorz 映画の公開も決まりましたし、ここらでもう一回やっとくかとw ただの書き直しなので、かつてのコメントはそのまま残ってます。 漫画感想の部分以外は削除したので、二人のコメント見ても意味分からないと思いますが・・・二人とも勝手にごめんねー。 もう一回別記事立てればいいじゃない、と思ったけれど このURLで検索に引っかかってやってきてくれる人も結構いるみたいなので。


ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)
(2005/12/05)
浅野 いにお

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   さようなら それもいいさ どこかで元気でやれよ    僕もどーにかやるさ そうするよ 画像リンクは1巻のものですが、2巻も含めての感想。 ささやかで切ない、等身大の青春音楽漫画。全2巻のスッキリ構成。 いろいろなサイトで取り上げられていたので読んでみたのですが・・・ これは、なかなか味わえない読後感。 読んでいて自分がどこにいるのか、なにを読んで(見て)いるのか分からなくなる。 グイグイ引きこまれる心理描写は素晴らしいの一言・・・。 とにかく、格好いいんですよ、この漫画。 それはもちろんキャラがイケメンだとかそういうんじゃありません。 この主人公たちは、どこにでもいる大学生。 イタく泥臭く、汚い感情だって持ち合わせている。 もちろん手に汗握るバトルも、キレのある推理戦もない。壮大なファンタジーでもない。 それでもハマった人はみんな思っているのでは。 この漫画、格好よすぎる。 あるのは生ぬるい日常と、音楽。十分だ。 最初はのんびりまったりな二人の生活かと思ってたけど、1巻ラストで急展開。 2巻ではもう痛々しくて、でも不思議と心が熱くなって・・・。 そして2巻のラスト、主人公たちは爆発する。 言葉では表現しきれない絡みまくった感情を、手にしたギターに叩きつける。 恥ずかしくても堂々と惨めに、彼の作った歌を、叫んでみせる。 20091219002611.jpg すべての昇華した圧巻のライブシーンには、感動した人も多いと思います。 ドヘタなギター掻き鳴らして、かっこ悪く裏返った声で。 泣きたいような、走り出したいような、叫びたいような・・・。 いやはや、思い出しただけで感動が再び、ってヤツです。 文字を多用する独特な間の取り方をしていますので 漫画というより小説を読んでいる感覚の方が近いかも。 独白部分はかなりな量あります。 ですがライブシーンでは絵に全てを委ねるといった感じの迫力ある展開をしてきましたし、浅野さんは色々なタイプの漫画を描けそうですね。 演出も面白く、マスコットキャラクターのウサギを使った心理描写(かわいいのに思い返すと不気味だったりする)や、重要なシーン、つまりは絵で魅せようとしてきたシーンでは一切の効果音を排除していたりします。 なんというか、意外とオシャレな漫画w でも描こうとしているものは実に人間臭かったり泥臭かったり。 そこらへんのさじ加減が面白かった作品でもあります。 あと過去話を入れるタイミングが絶妙すぎて涙が出てました・・・。 鬼ですか、あそこでアレいれるとか・・・。 ・・・なにやら映画化をするようで、自分もかなり気になっているのですが この作品は、漫画で表現することに意味のある作品でもあると思います。 映画を見た方や気になっている方も、映画だけでなく漫画で読んでみて欲しいですね。 といいつつ、映画版も、実はとても楽しみにしています。 テーマ曲「ソラニン」をアジカンが歌うと知ったとき、ああ、スタッフ分かってんな、とw 4月公開なので、時間が取れたらぜひとも見に行きたいものです。 実写の邦画を劇場に見に行くのなんて、いつ以来だろう。 でもただひとつ不満。 それは原作者書下ろしイラスト付きペア前売り券) イラスト付き欲しいのに・・・ペアとかorz まぁいいんですけどw ちなみにソラニンは、主人公達が演奏する曲のタイトル。 「別れ」がテーマ。 何を思って種田は、そして芽衣子は、このソラニンを歌ったのだろう。 たださよならを言うためじゃ、きっとないんだろうけれど。 『ソラニン』1、2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆ 2巻完結・・・理想的なボリュームで綺麗にまとまっている良作。 最後まで味わい深い、素晴らしい青春漫画でした。