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雲のむこう、約束の場所 小説版 感想

雲のむこう、約束の場所雲のむこう、約束の場所
(2005/12/26)
新海 誠加納 新太

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   今はもう遠いあの日、あの雲の向こうに、彼女との約束の場所があった。 まるっと2年かけて読み終えた小説。 またまたご冗談を、なんて思われるかもしれませんが、、これが本当に本当なのです。 壁紙スレでは常連の新海誠監督による長編アニメ映画「雲のむこう、約束の場所」。 10回近くもDVDで見直している、大好きな映画です。 そこに本編には無かったシーンや視点、さらにエピローグまで加えた完全補完作品。 ある意味では、これを読むまで、この作品は完結してはいなかった。 アニメを見ただけでは知りえなかった舞台の裏側を知ることができる反面、 この作品の良さでもあった、「想像する楽しみを」奪ってしまう一冊です。


内容・・・についてですが ストーリー全体について書いてしまうとエラく長文になってしまいそうなのでカットw 原作映画より追加されているシーンは主にここらへん。

・中学時代・3人の出会い。 ・サユリ消失後の二人。 ・上京後、ヒロキの高校時代。 ・研究室勤めのタクヤの様子。 ・塔破壊後の、ヒロキとサユリの生活。

原作が好きならぜひとも見て欲しいシーンばかり! 個人的に良かったのは、中学時代の3人の出会いと、ヒロキの高校生活かな。 中学時代は小説版での追加が非常に多く、メインの3人がどのように知り合い、距離を縮めていったのかが詳しく分かる内容です。 サユリが語った宮沢賢治についてのことも、印象深いシーンですね。 後者の上京後のヒロキの生活も追加シーンが多く、映画ではスピーディかつ断片的にしか描かれていなかった時期なので、ここまで大ボリュームで描かれていたのは嬉しい限り。 ここで語らなければならないのは、オリジナルキャラ・水野理佳のこと。 上京したヒロキともっとも親しくなる女の子です。 彼女の存在が、物語にさらなる深みを与えていると思います。 彼女は、すなわちヒロキそのもの。 お互い寄り添ってはいるけれど、それは「逃避」だということも、うっすら感じている。 2章ラスト・・・学校で彼女をふりきって走り、北海道へ戻るヒロキ。 理佳がヒロキ自身ならば、ヒロキは「過去の自分」を取り戻すため、「現在の自分」である少女を置き去りにして走り去っているのです。 「取り戻すため、過去へと戻る」という構図。 これはこの物語そのもの。小説オリジナルシーンなのに、これまたよく出来たエピソードです。 ―――ちなみに。 ヒロキは理佳に「戻ってきたらまた君と会いたい」と言いますが・・・ ・・・結果的に言えばこれは叶えられませんでした。 そしてヒロキが全てを賭して取り戻した少女・サユリとも・・・。 過去と未来、どちらも同時に掴み取ることは、当然ながら不可能。 それどころかヒロキは、「現在の自分」も「過去の自分」も両方失ってしまった。 カラッポのまま生きて、大人になってしまった。 それでも、ヒロキの行動によって救われた人々は大勢いる。これは間違いない。 センチメンタルな作品ですが実に骨太な男らしさがあるような気がしてなりません。 全ての不幸を背負いひとりになった男・・・。 けれど、自分が愛した少女は、いまもどこかで生きている。 それでいいじゃないか、とこうなるわけです(ヒロキは未練たらたらですが)。 男のロマンじゃないですか・・・!まさにヒーローですよ。


なんで読了に2年もかかったのか、自分でもわかりませんw なんどもなんども反芻するように読み直して読み直して味わって、少しずつ読み進めていたらこんなに時間が経っていましたww 新海さんの描く文章は、詩的な美しさがあって、やわらかな印象があるのですが 小説版を手がけた加納新太さんの文章は新海さんとは違い、重厚で生々しい迫力があります。 ですが、これは間違いなく新海作品だと言い切れる、美しさもあるのです。 新海さんの作品だという証を残しつつ、文学作品に昇華されている。 読者が本当に読みたかった部分・・・または目を背けたかった部分まで 鋭利なまでの文体で切り込んでくる。 確かにあのアニメ映画とは雰囲気が少々変わってしまっていますが 個人的にはとても気に入りました。 原作よりも「運命の残酷さ」が強く描かれています。 というか、目で文字を追うだけでも楽しいんですよ、この本w 素晴らしい読み心地の良さ。それでいてこのボリューム。ぜひ読んで欲しいです!


一般書店で見かけることは珍しいとは思いますが、いちおう注意。 これは映画の原作本ではなく、原作であるアニメ映画の内容を補足する小説です。 アニメならアニメの、小説なら小説の楽しみ方がありますが 個人的にはやはり 原作アニメ→小説版 の順で読んで欲しいと思います。 その方が、どちらも味わい深くなると思いますので。 『雲のむこう、約束の場所』小説版 ・・・・・・・・・★★★★☆ 帯とセットの装丁がとても綺麗な小説版。2年かけて読みましたw アニメを見て気に入った方に、ぜひとも読んでほしい一冊です。 ノスタルジーをめいっぱい感じたい人にもオススメ・・・。

        ドラマ「スマイル」のガッキーがとてもかわいい。 小動物的な魅力があります。 来週は中間テスト。 グレンラガンの舞台挨拶も行きたかったけど・・・まぁ・・・現実的に考えてムリorz 行きたかったなぁー・・・。でも2回目いくと絶対3回目も行きたくなるよねw