「正直どうでもいい?」

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新たなダメ少女、登場。『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』1巻

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1) (ガンガンコミックスONLINE)私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1) (ガンガンコミックスONLINE)
(2012/01/21)
谷川 ニコ

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   せいぜいカス同士でベタな青春でも送ってくださいよ タイトルながっ。「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」1巻です。 ガンガンオンインで読んでいたときから単行本化を待っていたわけですが来ましたね。 タイトルからして自分がモテない理由を「お前ら」にブン投げてる、この目付きの悪い女の子・黒木智子が主人公の本作。ボッチな女子高生のイタい毎日を描いたギャグ漫画となっています。 オビには「海外の2ちゃん的な掲示板で大人気!!」とありましたが、つまりそれって4・・・。人気あったんですか。というかそれ宣伝文句なのかw面白いですけどw


人と上手くコミュニケーションをとることができず、しゃべることができなかったりどもってしまったり。モテようと努力してみてもオーバーすぎて引かれてしまったり。 そんな女の子が主人公の黒木智子。高校生活のスタートを目前に控えています。 オープニングではインターネットで「喪女」と検索し、「私は違う」といきなりの豪語。 そう、彼女はなぜだか自信だけはたっぷりあるのです。心は強い。 wm2.jpg 自分のことも他人のことも勘違いしまくってる彼女ですが、根本的な部分では意味不明にポジティブ。もしかしてコイツ私のこと好きなんじゃ・・・?と妄想だけ暴走させる。 でも案の定友達はいない・・・。 ギャグとして様々な出来事が起こりますが、そのどれを通じても伝わってくるのは彼女の残念さばかり。でも完全にバカには出来ない、このうっすらとしたシンクロ感はなんだろう・・・。 まぁいつもかわいそうな目にあってるのにまだ強くあれる彼女は、それはそれで凄いのだ。 この作品は基本的に主人公の智子の独白を中心として進行していくのですが 彼女がちょっと・・・歪んだ性格をしているため、彼女のもつ雰囲気がダイレクトに読んでいる自分のところにやってきます。そこが面白くもあり、人を選ぶかもしれない点でしょうか。 かなりインパクトがあるんですよ、黒木冴子というキャラクターは。 まず基本的にいつも口が悪いです。発想も歪んでますし、可愛げない下ネタもバンバン。 そして友達はいないのに、周りのリア充な学生たちをやたらと見下しています。 でもなんとかモテたいので色々ファッションを試してみたりしてる。矛盾してるような・・・。 で、なぜだかプライドは高い。これだけの現実をつきつけられてなお・・・。 学校では挙動不審、部屋にいればPCゲームをプレイしたり、マニアックなドラマCDを聴いてホコホコしていたり。乙女向けも腐向けもどっちも行けるらしい彼女ですが、第1話で披露された彼女のゲームプレイ中のツボすぎます。 wm3.jpg 眼つきわっる! 腐ったような目で無心に男の裸体をツツキまくる智子! これじゃ全然ヘブン状態じゃないよ!いや、ヘブン状態は確かにゲームキャラですけど! しかもこのあと「チッ」と悪態ついてゲームを放り投げる。楽しくプレイして欲しい・・・。 でもたまにゲームのシナリオがドツボにハマったり、ドラマCDにドキドキしてる時なんかは、すごくキラキラする。己の趣味に生き満喫する女の子というのは、これはこれで。 たしかにお世辞にもかわいくはない彼女ですが、時折なぜだかかわいく感じてしまう。 人と接することに不慣れで、一挙一動イタイタしいキャラクターなのですが そんな彼女がふといつもの濁りきった表情を変えてくれる一瞬。惹かれます。 wm1.jpg 例えば乙女ゲーでメチャクチャ盛り上がってる瞬間だったり、このシーンみたいに現実でなにか始まりそうなイベントに出くわした時だったり。 そういう時の彼女はいつもの負のオーラもなく、なんだか純粋そうに見えるのです。 まぁ色々口でヒドいこと言ってても、やっぱり彼女は女の子なわけで。だいぶベクトルを間違えていますが青春の只中を生きている・・・はずなのです。 つまり浮かれちゃう女の子ってのはかわいいなあと!


とにもかくにも、主人公の女の子のキャラクターの強烈さが作品の魅力です。 彼女を気に入れば好きな作品になるでしょうけど、なかなかクセが強い気がするなぁw 上昇志向というか、自分を変えたいとい意思は持っているようなのだけれども、それがうまく結果を出せないのがいつものパターン。これからも頑張ってから回ってください智子。 お前がモテないのはどう考えてもお前が悪い。 根本的にバカだし、なのになぜか自信家だし、ゲロ吐くし、眼つきが悪いし、雰囲気がドロドロしてるし、下品だし、コミュ力低いし、不器用だし、・・・でもそこがかわいくもある。 モテない系少女の悶々とした欲求もそこかしても描かれている作品であり、ギャグとして笑うこともできれば、なんだかドキドキと楽しめてしまったりもするんですよね。 2巻は夏ごろに発売予定とのこと。甘くない、苦く酸っぱいだけの、でも時々ドキドキもする青春の日々。この残念な女の子は、見守っていたくなる何かがあります。 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』 ・・・・・・・・・・★★★☆ 残念なヒロインというのは流行りの1つみたいですが、これは残念すぎる・・・。でもかわいい。