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朝霧の巫女1~5巻感想とイカ

朝霧の巫女 5 (5) (ヤングキングコミックス)朝霧の巫女 5 (5) (ヤングキングコミックス)
(2007/12/27)
宇河 弘樹

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   これは夢かや現かや  我は誰ぞ いつのぞ  記憶に酔いしかや    母の釜の湯に  身を沈めれど  蜂の耳鳴り  いまだやまず 前から買ってたんですが5巻も発売されたのに、あんまタイミングがなくて感想かけてませんでした。まぁそろそろ書きたい本も消化しつつあるし、この作品について書こうと思います。朝霧の巫女です。とりあえず現在出ている1~5巻まで。 伝奇物の漫画で、むちゃくちゃ日本色が強いです。超和風。 日本独特のジメジメ・・・というか湿度の高そうな背景がたまらない。見てるだけでうっとり。そびえる山、騒ぐ烏から植物、建物、人間、妖怪、全てから日本オーラを放ちまくり。 舞台が広島、稲生物怪録という物語をベースに、妖怪と人間の姿が描かれてます。 1巻のころは「ラブコメ伝奇漫画」と裏表紙にあるとおり、のんびりと主人公の巫女さんたちの生活と妖怪との戦いが描かれていましたが、2巻後半くらいからだんだんと雲行きが怪しくなり、4巻ラストにてガクンガクン、5巻ではもうドン底状態に重く暗いお話になっていきます。ちなみに5巻では裏表紙に「ラブコメ伝奇漫画」と描かれなくなってしまいました。正解です。どこにもコメディがありません。 また、専門用語が多いのも特徴かな。最初は意味が分からなくて戸惑ってしまいそうです。 家筋も深く物語に関ってくる要素のひとつ。妖怪と人間の嫁姑問題も苛烈。この陰湿さがたまらな略。しかしそれでもモトはラブコメ風味な作品というわけでそういった場面も随所に見受けられます。主人公・忠尋とヒロイン・柚子はいとこ同士。このギリギリ感がたまら略。 アクションシーンもきっちりした描写で迫力あり。ただ、たまに作画が不安定なときがあります。4巻でちょっと目立ってたかな。けど背景はひたすらに綺麗です。シンプルなシーンは想像を掻き立てられるし、びっしり書き込まれて見入ってしまう箇所も。トーンはあまり使わない作者さんで、白と黒と、かすれたような灰色が独特に世界観に合ってます。 好きなキャラも多いです。 まずは柚子。赤面顔が見事・・・ッ。ちょっとムキになりつつも反論はできない柚子ちゃんかわいい。しかし幸薄いなこの娘。ハッピーエンドになってほしい。 あと平田。いいオジサンキャラだ。こーいうダンディな親父好きだ。裏で何を考えてるのか分からない人なんだけど、忠尋のことはちゃんと考えてるっぽい。 そしてこまさん。猫又という妖怪さんなのですニパー☆・・・そんなことお構いなしで黒い感情むき出し。主人だった男と自分との息子のことを崇めんばかりの溺愛ぶり。あの子のためなら自分の全てを投げうてると言い放つ人。不幸っぷりとその人間くささと、この作品ならではの強烈な日本オーラを放ってます。 伏線も専門用語も登場キャラも多めの重厚な漫画ですが、あくまで最初はラブコメ漫画としてのスタートを切っているので非常に読みやすい。シリアスへの流れも違和感無し。スルリと溶け込めます。 雑誌内での連載は終了し、あとは単行本が出るのを待つのみといった状況。全9巻構成となるようです。4巻から5巻にかけて約4年をかけましたが、これからはスムーズに発売されるかな。今から楽しみです。 『朝霧の巫女』1~5巻 ・・・・・・・・・★★★★☆ 純和風作品。日本的な背景・お話が好きな人にお薦め。 ラブコメからだんだんと暗く重たいお話にシフトしていってます。 話は変わりまして。 http://www.nicovideo.jp/thumb/sm2368117 イカさんたちがやらかしました。 これは酷い。

もうイカさんが輝きすぎてダメだ。もう直視できそうにない。