「正直どうでもいい?」

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この口と声で伝えなきゃ。 『O/A』4巻

うおー試験!

O/A (4) (角川コミックス・エース 216-7)O/A (4) (角川コミックス・エース 216-7)
(2011/07/01)
渡会 けいじ

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   そうか 話しても いいんだ ノベライズ化にラジオドラマ化に作中歌がホントにCDとして発売されることが決定したり 渡会けいじO/A」は好調なようで、単行本も4巻目になりました。 今回の表紙は新キャラクターの女子アナ・如月文代。 どんなキャラなのかなと思いつつ読んでみたら、初登場ながら一気にお話に食い込んできました。どうなっていくか楽しみですね、というところで感想。


今回目立ったのはゆたかの葛藤でした。 出版社から持ちかけられたのは、ゆたかの自叙伝本の出版依頼。とりあえず引き受けてはみたものの、これがちっとも上手く書けない進まない。 そんなエピソードから続き第17話では、ゆたかが大阪を訪れ、アイドルとして人気絶頂だったころとのギャップと直面。頻繁には街だからこそ、以前との環境の違いが再度はっきり分かってしまうのかも。 あのころと比べれば寂しい人気。その上、まっすぐな向上心すら持てているか怪しい。 元気をなくしたゆたかは、「ちゃんと私を見てよ」と不満に思っても、きっと同じくらいに自分自身への失望を感じていていたように見えます。ギラギラとアイドルとして生きていた過去を背負っている分、難しい心境にありますね。 そんな彼女をそっと救い上げてくれるのは、やっぱりパートナーであるはるみ。 暴走気味で突っ込んでいく人で、怒られたり殴られたりばかりだけど、そんな純粋な彼女だからこそ言葉もにごりなく心に届きます。伝えたいことをまっすぐに伝える人。 20110722211036.jpg つい閉じこもりがちになってしまうゆたか。自分だけじゃ上手く答えが出せない。 でも焦る必要なんてない。まずは隣にいるその人と、はしゃぎいだり笑いながら話してみればいいんです。なんか隣にいる、うらやましいくらいに賑やかな人と。


新登場の如月文代は「反骨機械」とも呼ばれている、物静かな女子アナウンサー。 しかしふとしたミスから(はるみ・・・。)2人1役でラジオを放送しているという「ペレーション・オーロラ」が彼女にバレてしまい、半ばムリヤリにラジオ放送に参加させてみる方向に。 20110722211031.jpg はるみは毛にこだわりすぎである。 秘密を知られてしまいましたが、思ったより平穏のままでいてくれそうで一安心。 むしろ文代アナのキャラでよりラジオが盛り上がっている様子が嬉しい限り。 しかしこの文代アナ、思わずところでゆたかにつながってもいた人物でもあり・・・!彼女が発したドキッとさせられるセリフで4巻は終わります。なかなか気になる引き。


という感じの第4巻。 2人の距離感を見直しつつ、新キャラも動き出して見所がありました。 インパクトのある事件は起きないにせよ、作品を確実に強化させた巻だと思います。小ネタやギャグも、つっこもうと思えばいくらでも突っ込めそうな感じは相変わらずw ドヤ顔でモールス信号送ってくるミホちゃんウザかわ!でも3巻を読んだ後だとなんでも微笑ましい限りですね。 それと、コミュニケーションの必要性を示したのが印象的だったように思います、今回。 上でも触れたゆたかとはるみのやり取りには心に残るものがありました。ラジオがテーマの作品らしく、「言葉」で伝えることの大切さは、全体通して1つの大きなテーマなのかも。 また、描かれた大阪の背景は、実際の街並みが使われているそうです。 今回も楽しませていただきました。5巻も楽しみにしてます。 『O/A』4巻 ・・・・・・・・・★★★☆ 新キャラもなかなかかわいい第4巻。はるみちゃんの執拗な毛トークも見物。