漫画の感想をメインをやっていますが、好きなことを書きたいので今日はアイドルマスターシンデレラガールズの楽曲「Stage Bye Stage」という曲について書きます。
前提としては、申し訳ない、ミリ寄りのP(しかもミリシタから)なので、デレマスについては2公演ほどライブBDを見て、あとは6thのLVとディレイ、6thのナゴドは現地、くらいの経験値しかない。デレステもそうめちゃくちゃやりこんでる訳でもないので色々認識が違っていたら申し訳ない、ということは予め……。
それにきっとデレP的にはいまさらな話題なのだろうけど、 個人的にうわーっ!!!!となったので書き出す。
6thナゴド現地と書いたがミリPなのに初アイマスライブ現地がこれでした。地元開催だったため。 やはりライブの魔力とは凄いもので、それ以降デレマス関連もそれなりに曲を追うようになってきた。
という流れの中で 先日、そのナゴドライブの模様を収録したライブBDのPVが公開されたので視聴した。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=fjrH9UCVYeY&w=560&h=315]
自分が実際に足を運んだライブ映像を見返すというのも感慨深いもので、他のアーティストやバンドでもそうたけど、本当に思い出が結晶化して宝物みたくなる。実際ライブBDという形で所有できるしいくらでも見直せるし。
そんなわけでPVを見ながらあれこれ思い出していたわけですが 「Stage Bye Stage」が流れ出した途端に、とにかくもう、感情が溢れた。なんなら泣いていた。
ドキドキする一瞬は 光る夢を作ってくれるいくつ増えてゆくのかなそしてここで「またね」「またね」って何回でも言えるから
https://www.youtube.com/watch?v=NMIEAhH_fTU
元から好きな曲だったのだけど、 現地で聞いた時も最高だったけれど、 懐かしむようにして聞いたこととき、あまりにも歌詞が刺さりすぎて慄いた。 いや、なんなら今聞いているときの方が、何倍にも破壊力を感じる。
うわ!!おれこの場所にいたんだ!!手を振ったんだ!!
そんなことが直感的に奇跡のように感じられてボロボロになった。時間差クリティカルヒット。そうして改めて歌詞を見てみると、とんでもないなと感じる。アイドルマスターというコンテンツにおいてこんな多角的な視点で歌われる曲が存在できたのか。(いや、ほかにもあるかもしれんが、俺には衝撃的だった)
もともとニュージェネ3人曲としてリリースされたみたいですが、6thライブではアンコール前の本編ラス曲としてセットリスト入り。歌詞からしてもそういう内容なので納得ではありますけど、実質全体曲扱いなのはわりと大抜擢なのでは?
そして、これがまたライブ終盤で聞くと本当に泣けてしまうんだよな、この歌詞が。 この曲、何がすごいって、いろんな視点が盛り込まれていることだと思います。 全アイドル共通ともとれるし、なんなら全P、全演者、全関係者、コンテンツそのもの、とにかくあまりにも大きな事象にまで言及されている感覚がある。
ステージバイステージとかいう神曲、アイドルマスターというコンテンツどころか2次元も2.5次元の空間そのものも内包してるような、今ここにいる観客の自分とアイドルという偶像とそれを体現する演者という全ての要素が詰まってて、歌詞の冴えが尋常ではない。そしてここが思い出になる。またねまたね
— 漣 (@sazanami233) July 7, 2019
感情が溢れてしまった夜のTweet
そもそも2次元アイドルコンテンツのライブって、よく考えなくても不思議な構図じゃないですか。声優さんが歌って踊る、だけじゃない。演じる役柄を憑依させて、ステージの上でキャラクターを体現して、プロデューサーは観客になって、けれど同時にプロデューサーとして彼女たちの頑張りを見守っていたりもして、そんな風におなじ偶像を共有する。けれど単純に楽しい音楽や美しいドラマ性を味わって歓喜したりする。普通のライブ・コンサートとはわけが違う、普通に考えて混乱するでしょこんな複雑な構造。フィクションとメタフィクションとリアルがいびつに噛み合って、こんなことになっている。
たくさんの声が飛び出す箱ココロ跳ねちゃう 楽しいでしょ想いを響かせ伝えてゆこうひとつと ひとつが 交わる場所
言うまでもライブという場所そのものを歌うAメロ。 ここで「イマ」を歌う。事実これがライブで歌われるのは終盤、本編も終わろうというタイミングだった。 ウキウキするようなメロディはめちゃくちゃポップで、テンポに合わせてサイリウムを左右に振る。
イマって?見渡すと会場全体がそうして光の坩堝と化している。色とりどりのサイリウムひとつひとつに、いまこの場所でそうしているドラマと理由がある。
今までの重ねた時間とつかまえた笑顔は宝ものいつの日か見てた憧れと一緒にさあ 次を見つけてみようStarlight 瞬く星空Sunrise 新たな朝日と
ここで「イマ」に至るまでの日々を回想する。
さっきまでは同じ光景を見ていたPも、ここでは各々が経てきた日々だったり、出会ったころの興奮だったり、担当アイドルへの強い思い、まったく別々の記憶を呼び覚まされる。だって全く同じルートをたどってきたPは一人もいない。アイドルたちもいつの日かみてた憧れを追いかけてここまで来た。何千何万という観客が満員のドームで、そのステージに立っている、その現実というフィクション。フィクションという現実。
ツナガル君の音で世界は変わる未知の行方 描き出す照らす色に染まる景色ドキドキする 一瞬は光る夢を作ってくれるいくつ増えていくのかな
楽しい!そんな気持ちをまっすぐ捉えながらもこれは「一瞬」なのだと、ちょっとだけ終わりを意識させられるようなフレーズ。
けれどその一瞬が次へとつないでくれる。「未知の行方」は「道の行方」でもある。「いくつ増えていくのかな」って、無限大の広がりと可能性へ胸高鳴らせるアイドルの歌声。完全にシンクロした・・・。そうだ・・・俺たちも・・・俺たちも同じ気持ちなんだ・・・!!とここで感情が溢れ出す。
そしてここで「またね」「またね」って何回でも言えるから
凄まじいフレーズだと思う。
「ここ」が意味するところがそのライブ会場だけではないことは明白。二重、三重の構造。 「またね」は観客にむけたお別れの言葉だ。ライブのあとで「おつかれさま」と声をかけるプロデューサーではなく、その場にいる名もなき大勢の観客へ向けた言葉。ゲームプレイヤーとしてのPではなく、いまこうして現実で彼女たちを見つめている、声優さんたちの向こうに実在しないはずの彼女たちの姿を見つめている自分。
遠いなぁ。わかっているけれど、覚めてしまうと遠い。けれど、心のすぐそばでこの曲は鳴る。紛れもなく現実の自分たちに向けられた手向けの言葉を噛み締めてサイリスムを振るのだ。
"Stage by Stage"は一歩一歩、という意味だ。この曲は少し変えて「bye」としているが、そういう言葉遊びもこの曲のテーマにハマっている。一歩一歩積み重ねてきた日々を、ライブステージで結実させ、そして「またね」と手をふるための歌。
踏み込んだ一歩を忘れないよ涙ぐむほど この気持を大事にしたくで抱きしめてここから ここまで 連れてきたよ
2番からはアイドルの内面を表現したフレーズへと変化していく。
ここらへんからメンタルがやられてくるゾーンですね。アイドルになろうと最初に思った日だったり、オーディションを受けるまえの不安だったり・・・プロデューサーに出会ってからの戸惑いもあるかもしれない。
憧れを現実にするために楽しいだけじゃない時間だって過ごしてきた。 耐えてきた。戦ってきた。そして叶えてきた。 だからあそこに立てているんだよ。
アイドルとして強くてかわいい存在のその内側のナイーブなところを触れてくるこの歌詞!ここが更に涙を誘うんですね。そしてそんな日々を忘れてない。楽しかったことも悔しかったことも全部ぜんぶ引き連れて、背負って、ここにいる!その眩しさ!
ここから、ここまで、連れてきたよ。連れてきてもらったんだよ。そして連れてきてあげることができたんだよ。デレ歴ぜんぜん浅いのに頭の中でかってに遥かなる努力の日々が捏造されて涙腺が熱くなるな・・・
自分にとっての特別からもう誰かにとっての特別へと貰えたとっておきのプレゼントありがとう 次は贈りにゆこう
やめてくれ・・・これ以上、おれに何も手向けないでくれ・・・十分、じゅうぶんもらったんだよ・・・あまりにも純度の高い感謝の思い。尊すぎて目が潰れてしまう。
アイドルを目指した少女の、純粋な憧れが、こんな風に輝きだしてしまうのかよ。ともに成長してきたメンバーや、背中を支えるプロデューサー、あつまった観客。いろんな「誰か」を思い浮かべては、そのあらゆる可能性において、どれもがメチャクチャ熱いメッセージとなることに気付かされる。 好きっていう気持ちをみんなで共有して、「特別」を差し出し合いながら、こんなに輝くことができる。
そこに立つためのすべての軌跡と奇跡を受け止めて、だからこそ彼女たちはこんなにもキラキラしているんだな。どのアイドルも特別で、どのPも特別な思いでそれぞれの担当アイドルを応援している。そしてアイドルにとっての、特別。誰でもいい、なんでもいい、彼女たちが特別だと思えるなにかを、どうか大切にしてあげたいんだよな。一人ひとりに寄り添った、それでいくらでも解釈の余地を残す魔法のような歌詞だ。 作詞家ミズノゲンキ・・・その名・・・覚えさせてもらった(誰)
Stand by ひとりの欠片がAlright みんなの全てにツタワル 君と手と手 舞台で結んで認め合える 支え合う歌にのせて 期待をこえてトキメキまで 最高を探すために信じている紡ぎ出した絆たちともにここで「だよね」「だよね」って笑えると思うから
2番サビにかけて。ともにステージにたつ仲間に向けたメッセージの部分。 こんな・・・人としてアイドルとしての信念ともいうべき譲れない部分をズレなく共有できる奇跡のような空間を感じられてさらに涙がこみ上げてくる。 だよね、だよね。 この空気感だけで、満たされてしまうんだよな。個人的には音源版でニュージェネがこの歌詞を歌ってくれているのマジで天才~!!!!!!ってなる。
あとどれくらい 目指してみたい始まることを決めた 日々の向こうStage bye Stage
ラスサビ直前のブリッジというかCメロ。ここでまたしても気付かされてしまう。 ステージ・バイ・ステージ。それは今日この日この瞬間のライブへのお別れでもあるし、次なるステージへの一歩も意味している。
ツナガル君のもとで未来は続くいつも 明日も その先もそしてここが思い出になるだから言うよ またね
落ちサビ。 「君のもとで未来は続く」すごい。託しているんだ、こちらに、すべてを。 単純にライブ終わって寂しいけどまたねじゃないんだよ。この先のことを信じて託してくる。え、マジ?そんなのあり?そんな信頼、ありか?
次があるかもしれない、ないかもしれない。あなたがくる最後のライブかもしれない。 けれど全部覚悟の上なのだ。ライブという一期一会。コンテンツという宿命。 すべてを内包して 「そしてここが思い出になる だから言うよ またね」と歌い上げる。
めちゃくちゃ美しい。そのうえで2次元も、2.5次元も、アイドルマスターというコンテンツをめぐる事象にまで言及しているような感覚。心臓を鷲掴みにされているような迫真の距離感。
そしてラスサビ。1番サビをなぞるが、最後のフレーズが変化する。
そしてここで「またね」「またね」って輝いた奇跡へ何回でも会えるから
宝物のようなこの時間を永遠にして終わる。
次のライブでも会おうね!バイバイ!っていうことの他にも含みがあって、何度でもこの日を思い出して楽しくなってもいいし、次のライブでまた会ってもいいし、BDでライブを見返してもいい。あらゆる場面において等しく輝きを放つキラーフレーズ。
今日というこの日が結晶化され、どんな形であれ、見た人になにかを残す。 何回でもそれを取り出して眺めていいんだ。また仕舞ってもいいんだ。 感動と、それからどこかメタ視点のような達観も感じられる。でも、冷めているとかじゃなくて純粋な幸福感が押し出されているんだよな。
ライブ当日も最高だった。 けれど、興奮も落ち着いてしばらくたった夜、ナゴド公演PVを見てぶり返してしまった。むしろ当日よりも強烈な破壊力でもって、俺の涙腺をぶち壊してきた。
本当に思い出になった今になって気づいた。 思い出になったときにことをあの時すでに歌われていた、目の前でおれはそれを浴びていたのだ、というあまりにも鮮やかな伏線回収。
こんな華麗にキメられたら為す術なし。
いくつも、いくつも重ね合わせることができる深いメッセージ性。
アイドルマスターというコンテンツどころか2次元も2.5次元の空間そのものも包み込んでいる。
今ここにいる観客としての自分と、 サイリウムを振る舞台装置としての自分と、 プロデューサーとしてアイドルに接している自分と、 アイドルと、 アイドルという偶像と、 それを大切におもうあらゆる意思と、 それを体現する演者と、 それらすべてが結実した現実、 今日というその日、共有できる感動、全ての要素が詰まってる。
もうアイマスどころか声優ライブコンテンツという構造そのものにも触れている神の一手。
素敵な時間をありがとう!共有してくれてありがとう!!って、コンテンツをめぐる意思すべてがここに溢れた集大成。 そんな感覚。「またね」「またね」って何回も、本当にキャラクターが語りかけてくるみたいな構造をもった曲だ。
奇跡みたいなきらめきと、あの場所でみんながひとつとなってライブを成立させている現象、その神域。その凄み。そしてそれを成立させるために緻密に世界観を練り上げられているコンテンツとしての完成度。 そして何より、キラキラしながらこれを歌い上げるアイドルたち。 マジですべてが完成されてて、フィクションとかメタとかリアルとかどーーーーでもいいーーーーってくらい、作品がもつエネルギーとそのリアリティに圧倒される。
“会いたいを叶える”新曲「Stage Bye Stage」制作背景 https://realsound.jp/tech/2018/09/post-250030_2.html
インタビューを読むと、そもそも楽曲としてのコンセプトからそういうわけだった。けれどこの曲が改めて、ライブという場所で、全体曲として披露されたことでこの曲がもつ可能性やかがやきがさらに拡張されている。ライブ化けする曲というのは往々にして存在するけども、この曲の飛躍は相当だろう。
こんな感情移入ができる曲、すごすぎる。 読めば読むほど、この歌詞、化け物じみてるよ・・・。
またアイマスのライブに行きたいなぁ。 またこの曲で腕を振りたい。光の一部になりたい。 そして何度見直しても津田ちゃんはかわいかった。ナゴド公演最強の女。津田美波。
以上です。改めて、解釈とか知識とかめちゃくちゃだったら申し訳ないです。が、やっぱりこの曲がもつ魔力はとてつもないと言うことを自分なりにまとめてみたかったので。
睦月周平さんってミリでもめちゃくちゃいい仕事してるので、こちらもおすすめしたいんですよ。「深層マーメイド」や「Cut.Cut.Cut.」、「ラスト・アクトレス」・・・
あと頼むからミリ6thSSA現地当たってくれ……アソビストアプレミアム…… ついに俺もアソビストアに年貢を納める民になってしまった。頼む…