「正直どうでもいい?」

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あっちこっちそっちどっち恋はパニックってヤツなんだよな『スピーシーズドメイン』8巻

B07BGWW96Y スピーシーズドメイン 8 (少年チャンピオン・コミックス) 野呂俊介 秋田書店 2018-04-06by G-Tools

今年になって買い始めたシリーズの最新刊。あっちでもこっちでも青春三昧、恋は同時多発。表紙裏オマケ漫画でも触れられてるとおり、どいつもこいつも発情顔しだしてるしかなりの濃度でラブがコメり出している。最高。最高以外に無い。

人間と亜人がともに高校生活を謳歌するコメディ漫画も8巻目。メイン扱いに昇格になるキャラも大勢出てきましたし、いよいよ群像劇な側面も強まってきましたね。この巻の大機のカゲの薄さは・・・・・・・うん。でも余計に賑やかになってきて、個人的に本作に期待しているワチャワチャ感はどんどんパワーアップしています。男女別け隔てなく行事には盛り上がって、でも互いにどうしたって異性への意識はどうしようもなく敏感で。教室全体を包み込む青臭さ、甘酸っぱいソワソワ感・・・俺の求める学園ラブコメは、こういうことなんだよな・・・!!!!

 

まぁともかく、連載も50話を突破しました。その過程にちりばめられてきた伏線や小ネタが見事に花開き、脇役程度に考えていたキャラクターたちが我こそはと名乗りを上げ活躍しまくる、群像劇としての進化にワクワクがとまらんわけです。

7巻の体育祭編もはちゃめちゃな具合でしたが、学校でそれと同時期に行われ、学園漫画に欠かせないイベントとはそう、文化祭である。「楽しそう」って言葉ってそれだけ見ても薄っぺらで全然響かないんですけど、それでも書いてしまいたい。「めちゃくちゃ楽しそうだ!!」って。こんな時間を高校時代に過ごせていたら、思い出すだけで元気になれる一生の宝物みたいな時間だよな・・・。

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考えなしにバンドをやりたいといいだして、流れでポエム大会になる。(どういう流れだよ)まぁこれだけで、あーいつものバカ騒ぎが始まったな!とほくほくしてくるんですけど、これ多分文化祭編のクライマックスで、風森さんが作詞した内容が明かされるんだろうなあ・・・!

文化祭の準備のため、前日にはみんなで学校に泊まり込む。日常から一歩だけ踏み外れた非日常にみんなのテンションもあがるあがる。普段入れないあれこれだってついつい話してしまうエモい夜。女子は淡い恋の馬鹿騒ぎ。野郎どもは

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なんかよくわからん暴露も始まった。こいつはこいつでなかなか難儀な道を歩もうとしていた。応援させてくれ・・・!!

そして待望のクラスメイト全員巻き込んだお風呂回ではみんなのCHIKUBIが拝めてしまうんですけど、ガッツポーズというより、ほんとにクラスメイトのいけない所を見てしまったようなほんのり罪悪感もあって、この漫画のギルティっぷりを再確認。女子と男子の距離感がこれだけ近いと、こういう感情が湧き上がるんだな・・・。

それでここで同時多発的にいろんな話しが暴露されて俄然面白くなってくるああ、コイツはやっぱりアイツが好きなのね、的な。拗れた気持ちを抱いていたり、隠しきれていなかったり、ノロケ全開だったり。みんな青春を満喫してますよ。豊かさインマイハート。MVPはやっぱり恵良さんでしょうか。けっこうあっさりコロッと、恋にはまっちゃった。チョロいとも言う・・・がしかし!なんかこういう全然意味わからない流れで、完全に予期せぬタイミングで、話した所で共感は得られないようなポイントで、突然に発病するのもまた生々しくて可愛くてたまらない。乙女モードな恵良さんをもっと俺にくれ・・・!次の巻でも拝ませてくれ・・・!

コツコツとゆっくり関係性を深めてきたいろんなクラスメイトたちの関係が、一気に変化と進化を遂げていく体育祭&文化祭の秋。8巻まで積み上げてきたものが一気に開放されていくカタルシスよ・・・!ラブコメの華とはまさに今なのかもしれない。

「ここでくるかー!」っていうラブコメ展開がどんどん投入されてきてラブコメ好き的には鼻息荒くなるくらいにワクワクしてくるんですけど、どんどんメインキャラが増えてきている弊害としてストーリーがだいぶゆっくりペースになってきてる。 まぁこのペースでOKが出されているということは編集サイドからも大事にされていて、連載も軌道に乗ってこの先まだまだ読み続けられるだろうな、という期待のような安心のような思いもあります。テンポの良さ、キャラの魅力、小気味いいセリフ回し・・・アニメ化とかしてくれないですかね・・・面白くなると思うんだけどなぁ。

 

 

 

喧騒の中にも、しっとりと誰かを思いやる気持ちやほのぐらい後悔を忍ばせる、ちょっぴりのシリアスがナイスアクセント。

魅重木が羽井さんへの素直な気持ちを吐露するとの同時に、関係の停滞を余儀なくさせられそうな辛い過去のエピソードが語られる。異種族とのディスコミュニケーション、それに伴うかなしい痛みの描写は、カラッと元気なだけで終わらない本作の懐の深さの証明でもあると思う。でもそれは多種族だからという問題でもなくて、あくまでも人対人の接し方のはなしなので。この2人はクラスの喧騒とは一歩離れたようなところで心が通じ合ってのが心地いい関係だよな。

第50話。 メガネっ娘・相田さんは風森さんと中学がいっしょで、彼女を仲間として迎え入れることができなかったことを後悔していました。しかし当の風森さんはまったく気にしてなかった。ありがちな話ではあるよな。「あのこは孤独だ」と周囲が哀れんでいても本人は気楽できままなだけだったり。でも孤独になろうという人すらも巻き込んでバカをやれてしまう、いまのクラスの包容力と言うか、照らす光の強さが再確認できる。

スピドメ

偶然かもしれないけれど、50話というキリのいいタイミングで、過去の風森さんの精算と現在の風森さんの幸福を見つめ直すエピソードを持ってきたのはちょっとジーンと来てしまった。

9巻はいまから5,6ヶ月後になってしまうんだろうけれど・・・・・・

紅川ーー!!!!長渡ーーー!!!!!!

紅川ー!!!!

見逃せなさすぎるでしょ・・・・・・ここで待たせるのは卑怯だよ・・・

爆誕した恋愛モード恵良さんも俄然かわいいが、行き先気になるのはコイツらの行方。素直になれないだけできっちりとフラグを積み重ねてきたかっこつけデブ&ツンデレペアに光あらんことを。

タイトルはこの曲から。恋はパニック。感染もするからパンデミック

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=iWqQlwEg__w&w=560&h=315]