「正直どうでもいい?」

漫画 音楽 娯楽

本気で吠えて本気で悔しがる、これぞ青春!『銀の匙 Silver Spoon』6巻

銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス)
(2013/01/18)
荒川 弘

商品詳細を見る

   でも私、めんどくさい馬けっこう好き!銀の匙 Silver Spoon』6巻が発売されました。そしてアニメ化も決定! ノイタミナ枠での放送ってのはなるほどピッタリじゃないか、と思いますが・・・「銀の匙」のような作品だったら、夕方とかいろんな人が見られる時間帯に放送してほしかったなーとも思ったり。ちょっともったいないかなぁ。今の時点で充分メジャー作だからこそ。 それはともかく6巻ですよ。まるっと秋の章です。 今回の大きな見どころはやはり馬術の試合。八軒の初試合です! エゾノーで世界やら視界やら広げた八軒が再び挑む、勝負の世界です。 表紙にも登場した馬・マロンが活躍しまくりの一冊でしたね! 前巻→秋深まり絆も深まる。『銀の匙 Silver Spoon』5巻


●ゆるいけどここは確かに勝負の世界 乗馬の秋季大会がいよいよ開幕。 大会そのものは、かなりゆる~っと進んでいく。静かでもなく厳かでもなく、和やか。 でも出場する選手たちは緊張の面持ち。だって自分の実力が周囲と図られて、ほかの人にも見られる場なのだから。ややゆるっとしていても大会だ。試合だ。 そして中でも八軒の緊張やら気合やらは並大抵のものではない。それは実力をはかる場面で、いつも結果を求められていた彼だからこその気負いなんでしょう。 「試験」はいくらでもやってきたものだけれど「試合」は初めてなんですね。 試合はうまくいかなかったり、最大限の集中で結果を出せたり。 シビアな勝負の世界で、八軒は思いっきり喜んで、思いっきり悔しがるんだ。 戸惑うこともあったり、むしろ戸惑ってばかりだった乗馬の世界だけど こうして全身全霊で臨んでいる八軒の姿がまぶしかった。そのことが印象的なエピソードだったと思います。アツいじゃないか、八軒。 銀の匙61 こんなに感情を爆発させちゃって、青春を満喫してますよ! この乗馬大会エピソードでは、人だけじゃなく、馬も主役です。まぁこの作品は最初から人だけじゃ生きてらんないよって言ってきたので今さらですが、これまた、カッコいいんだ、馬の躍動が。 マロンはあんなかわいくない上に緊張感もない顔のように思われますが、流石走ってる時はカッチョいいですわ!気難しいけれどそれがいい味出してる馬。 銀の匙62 迫力たっぷりの真剣勝負。人と馬が一体になる瞬間がカッコよくてキラキラしてる!


御影アキってヒドい女? そう、御影アキってけっこうヒドい女だと思うんですよ! 八軒との間に一線引いて、いいところで踏み込ませないように後ろにさがる感じ。 やさしい言葉をかけて誘い込んでおいて、近づいたら拒絶するかのような。 そんなことを彼女は無意識でやっているもんだから、これはちょっとした悪女。 今回ちゃんとクラスメイト達が本人にそれを指摘してくれました。 ちょっと気持ちがスッとしたような気がしますw 別に恨んでいるわけじゃないですが・・・! 銀の匙63 いやまぁ、クライメイトたちは実態を知らないからこそ「ニブい!」の一言で済ませているけど、ホントはニブいだけじゃないんだ、彼女のいけない所は・・・! まぁそれはいいや。彼女はここから改善されていく流れにはいった様子ですし。 クラスメイトたちに指摘されて、ようやく男女のデートのお誘いを受けたとわかる御影(ヒデェ)。その夜の御影の混乱っぷりは、初々しくてかわいかったですな・・・!! 銀の匙64 来てる!ラブコメ来てる!ちゃんとしたの来てるよ! でもこういうドキドキを、周囲に見せませんからね御影は。友達の前じゃこんな顔しなかったし、本当の自分をあまり周囲に見せたがらない娘だと思います。こんな一面があるって、ほかの人はあまり知らないだろうに。 計算じゃなく本能レベルで、他人に近づきすぎないように自分をセーブしている印象さえある。 そういう意味で、今後の御影がどうなっていくのか楽しみなんですよ。 八軒のがんばりは、確かに御影を普通じゃなくさせているのだから。


そんなこんなの第6巻。 馬術の試合風景ってあまり漫画で読んだことなかったので新鮮でしたね。 でも6巻のヒキはなかなか強烈で、これからどうなるんだよ!と次の巻を急かしたくなる感じ。八軒の抜けた穴はデカい。どうなるのか・・・!7巻は4月に出るとのことです。 しかしこの漫画、どれくらいで完結するんでしょうね。作中で1年経って、また次の春の章になって完結、と思っているんですが。アニメに合わせる形で完結したりするのかな。 作品としても大きな盛り上がりどころに突入していくでしょうね。 さらりと壮大さを感じさせてくれるのも上手い作品です。 車の全然通らない、ずっと先まで続く車道を、馬で進んでいくあたりとか。 きっとすっげえ気持ちいいんだろうなーと羨ましくなりますね! なんでもないことのように北海道の雄大さを感じさせてくれるシーンはこの作品の見どころでもあります。 『銀の匙 Silver Spoon』6巻 ・・・・・・・・・★★★★ 乗馬大会の興奮が味わえる一冊。八軒と御影の関係もちょっとずつ・・・?