「正直どうでもいい?」

漫画 音楽 娯楽

待ちきれないんだ、体が熱くなりたがっている!『ボールルームへようこそ』3巻

ボールルームへようこそ(3) (講談社コミックス月刊マガジン)ボールルームへようこそ(3) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2012/11/16)
竹内 友

商品詳細を見る

   私を花にしてくださいボールルームへようこそ」3巻!先月出ました。 いやぁアツいアツい!めっさ熱いですね3巻!!ゾクゾクしっぱなし! いつも熱気たっぷりな表紙イラストも、今回はライバルとのバトルのような構図になっています。内容とあっている上にこの緊迫感スゴい。ピリピリくるな! 平凡な中学生がダンスに出会い目覚め、大会に出るまでになった本作。 3巻はまるっと「天平杯」での激闘が描かれており、テンション高いまま! まさに今勢いがある漫画だと思うのですよ。そんな漫画の感想。


主人公・富士田はあたらしいパートナー・真子と組んで天平杯に出場。 この大会にはいろんな人間の、いろんな感情が入り乱れていて 一言では語り尽くせない味わい深さがあります。 この大会の中で、主人公・多々良はリアルタイムでどんどんと成長していく。 多々良の覚悟や意識がどんどん研ぎ澄まされて、1人の男になっていく様子は問答無用で心を高ぶらせますよ! ボールルーム31 体が熱くなりたがってる!名言ですよね。 なんて良い表情しているんだ。怖いくらい。でもこの闘志むき出しっぷりが素敵。 初心者も初心者、ほとんどの人がその名を知らない多々良。 最初は注目をあびない彼とは逆に、強大なライバルは存分に実力を振るう。 体力。テクニック。その他たくさんの、ダンスを踊るために大切なこと。 それらが周囲と劣っていることが、まざまざと見せ付けられる。 わかりきっていたことだけど、この晴れ舞台でそれを強く意識させられてしまうと、そりゃ泣きたくもなるよな。 ボールルーム33 このシーンがすごく好きで。 「なんで僕―――もっと早くダンスに会えなかったんだろう」 不甲斐ない。情けない。自分に想いを託してくれたライバルに、自分の手をにぎってくれるパートナーに。いろんな無念さがグルグルと頭をめぐるんだ。 「もっと早くダンスと会いたかった」なんてその競技を愛していなければ出せない言葉だ。でも愛してるだとかそんな理由より、もっと凶暴な感情が胸を暴れる。 もっとうまくなりたい。もっと戦えるようになりたい。 そんな言葉が体の底から叫ばれているんだなぁ。


ライバル、賀寿は審査員からも注目されている選手。 これがまたいけ好かないヤロウで、いい感じにヒールなんですよね! あーコイツ見返してやりたいなぁ、って思いは読んでいるこちらでも膨らむ。 けれどコイツと1人で戦う実力は、多々良にはまだ無い。 ならばどうする?ってところで発想が切り替わる。そこからの展開が、この3巻の最大の見どころでもあるんじゃないかな、と。 こっから更にテンションは上がるのみ!コミックスを持つ手にも思わず力がこもる! いやしかし、この巻のヒロインは真子ちゃんですねえ。 ヒーローの対義としての、主役という意味で。 3巻の終盤の活躍の華やかさは当然のこと、それまであった「相手の邪魔にならないように踊る」という考えを捨て挑む多々良とのダンスは、ドラマとしての見ごたえ十分。 「私を花にしてください」なんて、この娘が言ってくれるのかと! 「私をみろ!」と踊りで語るような強さを手に入れた。美しくなろうとする意識を持った。 「私を花にしてください」 「応えるよ、応えさせて!」 の流れにはゾクゾクゥッ。多々良は胸のうちでそう返して、そして行動で示す。 「花と額縁」女は花、男は額縁。花を華麗に飾り見せてやるのが、男。 多々良が見せつける、彼なりの「花と額縁」の姿。要注目ですよ。 ボールルーム32 で、相変わらず観客のリアクションも上手いこと描かれていて。 衝撃と賞賛が少しずつ広がっていく様にも大興奮。観客がうまく描かれていると、競技漫画はさらに魅力的になるんだなぁ。


そんな「ボールルームへようこそ」3巻でした。 あー面白いなー!テンションが上がる。ダンスってこんなに熱く激しいんだ。 作品のキャラクターと同じく、こちらまで血がたぎってくる! なんだろう。引きずり込まれるみたいに作品の空気に自分が染められてしまう、そんな漫画。悔しいときには全力で悔しがるし、楽しむときは全力で楽しむ。 いつだって全力で、持てるもの全部をしぼりつくして燃え上がる。これだけ全力でやったら結果はどうあれ後悔ないだろう、と読んでるこっちは思っても、それでも悔しがって、そしてやりぬいていく強い人たち。心にアツいものを持っている人たちが全力を出し切って戦う姿が、この作品の大きな魅力。 3巻はストーリー的にも大きな盛り上がりがありました。 多々良たちの覚醒に、自分でもびっくりするくらい嬉しがったりしてw あんなビクビクしていた多々良たちが、フロアを煽るようなダンスまでしたりして!お前ら生き生きしすぎィ!読んでてニヤニヤしてしまう! 無力感を覚えまくったからこそ、余計に「頑張らなくちゃ」とトバしすぎたり、そんな失敗もありました。でもそれを踏まえて、花開いた。 ダンスという題材からイメージされる優雅さは、この作品においては皆無、とは言わないけど薄い。なにより前に立つのは、決意を持つ人たちの力強さ。 男も女も関係なく、バチバチと闘志がはじける。 燃え上がりむき出しになった対抗心。見た目優美なダンスの中に、人間たちの凄まじい激情がほとばしる!はぁ、4巻が待ち遠しい!! 『ボールルームへようこそ』3巻 ・・・・・・・・・★★★★☆ 真子ちゃんかわいいなブヒョーとかも思いつつ読みましたが そういうぬるい楽しみは吹き飛ばされそうな迫力!熱気!テンション!


余談ですが、「ボールルームへようこそ」3巻のオビでこんなのが。 ボールルーム34 わぁい、紹介してもらえました。 ということでITmedia eBook USERさんで自分が執筆した記事でも本作に触れてます。 →漫画ブロガーが本気で教えたい “今年出たすごい1巻” まだ読んでない方はよろしくでっす。ボールルーム含む5作品を紹介しています。 本当に余談でした・・・。 ボールルームはどんっどん面白くなっていますね。本当に今勢いがあります。