「正直どうでもいい?」

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リビドー全開!とびきりビタースイート!『R-中学生』2巻

R-中学生(2) (ヤンマガKCスペシャル)R-中学生(2) (ヤンマガKCスペシャル)
(2012/10/05)
ゴトウ ユキコ

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    こうなったら乳首だけでも吸う!!命に変えても吸ってやる!! うまくいかねーなぁ、思春期ってのは。 そんな想いを抱かざるを得ない、思春期のリビドーが煮えたぎっている「R-中学生」です。1巻が出てから2年以上が経ちました・・・まさに待望の第2巻!! もともと思春期だとか青春だとかそういうテーマにめっぽう弱いんですが……この作品の持つエネルギーは相変わらずすさまじい。 読んでて次から次へ心を刺激されて、いてもたってもいられなくなる感覚は、そう味わえるものではないです。これが読みたかった・・・ずっと待ってた・・・! 1巻は作家としての初期衝動も合わさってか、そのテンションは凄いことになっていました。 →秘密のカイカン・・・傷だらけの僕らの思春期。 『R-中学生』1巻 この1巻が本当に衝撃的で。2巻が出たタイミングで再読してみたらやっぱりヤバ面白い。 あれから「ウシハル」の連載をはさんで届けられた今回の2巻でしたが、ブレないなぁ。 1巻とはちょっと違った趣のあるエピドードもありますが、基本というか芯がガシッとしてる。 それでは感想を。


感想書いていながらいくらでも感想が湧いてきて困る、というのが1巻の時の体験。 ついつい感傷的になったり、やたらとテンション上がってしまったり。 まるで読んでる自分まで中学生にもどったような感情の高ぶり。こんな気持ちうまく言葉にできないな、と感想を書いてるブログとしての全てを放り投げだしそうな勢い。まぁ頑張って言葉をひねりだしましょう。 この作品にはバカバカしいくらい胸打たれてしまうのです。本当にバカバカしいんだ。ここまで刺激うけるなんて。思春期が充満する天国のような地獄、中学校。楽しいな、苦しいな。 第2巻は2つのエピソードが収録されています。1話完結だった1巻とは違ったスタイルに。 夢で逢えたら 少女の片思いを描いたエピソード。女子バレー部の喜多さんが主人公。 恋のお相手はおなじみのバカ野郎3人組の良心(?)、吉倉。 まだまだ女の子としてオシャレをするだとか可愛く振舞うだとか、やり方がうまくわかっていない喜多さんがかわいくて面白い。というか全体的に手探り感がすごくてニヤつく。うわーうわー初めて男子を意識しちゃってるこの感じがもう、うはー。 でもエロ馬鹿クソ野郎(とキャラ紹介ページで書かれるほど愛されている少年)堀田が、大事なシーンを台無しにしていく様子も相変わらずで安心する・・・コイツはこうでなきゃな! 最初こそギャグとして失敗談が語れれていく。「ああ残念だったなぁ、次こそは!」みたいに。 ところが少しずつそこに歪みが生じていく。人間関係がこじれだしてからが、これまた面白くて面白くて、喜多さんの目がにごりだしてからが本番と言える・・・! つーか稲沢さん(1巻の黒ブラの娘)・・・、人の色恋沙汰に首突っ込んで応援するつもりで要らないおせっかい焼いてて・・・すげぇなんというか・・・ウザかわウザいです・・・。 中有学生23 本人は悪意ないつもりだから余計にダメだこりゃ・・・。 そりゃ喜多さんの瞳も心も澱んできますよ!部外者からの面白半分なイジリって不愉快 稲沢さんこういう娘だったんだなぁ、めんどくせえ!面倒見がいい。でも行き過ぎるとうっとおしい。ラインを見誤って失敗するシーンは1巻にもあったけどなぁ。 静かに高ぶる少年のリビドー。行き場を失って破裂しそうな少女のリビドー。 うまく交差できない2人の一方通行は、ヒリヒリといたんで切なさが滲む。 クライマックスは爽快でもあるし、見たくなかったものでもあるし・・・でも熱いカタマリがギュッと心に押し込められて、もう一杯一杯になってる感じ。はぁ、ため息しか出ない・・・。 あの激怒は、あってよかったし、あるべきだった。嬉しいシーンでした。 その後の「ちゃんと起きるまで一緒にいなさいよ」まで男らしすぎる・・・! そういえば稲沢と伊地知は、なんだろうな。こいつら何げに馬合ってるよな。 1巻6話でマジギレしていたけど、自然と友達づきあいができている。 いつかこの2人と吉倉交えて、ひと波乱あるかも。あるかな。 中学生22 うわーバカだ。でもこんなバカ騒ぎを友達と全力で出来る瞬間。眩しい。笑顔になれる。


●トゥー・ヤング 堀田メイン回きたぁぁぁ!ゴトウユキコ先生このキャラ好きだよなぁ! 中学生24 教育実習でやってきた大学生、文子先生。 すぐに子供達に溶け込んで、いつも笑顔でキラキラ明るくて、確かにかわいい。 そして堀田は彼女の惚れてしまうのであった・・・! あーあー、普段あんなに女子のイヤな顔をシカトして下品なことしまくってるのに、好きな相手の前ではこれだよ!ガチガチになって動けてないよ!動いたと思ったら的外れであちゃー。 正直コイツにイラッとくる場面はいくつもあります。空気よめよ、ちょっとは黙ってろよ。 でも憎めない。どころかむしろ好きなのは、コイツが1番目に見える形でパーッと思春期のエネルギーを無駄づかいしてるから。クソみたいなことやって楽しんで、それが1番青春っぽい。 これがスポーツとかで情熱燃やしてたら違うのに、でもコイツは本当にどうでもいいことで燃えている。きっと毎晩のオナニーを全力で楽しむことだけを考えているバカ。ああ、最高だな。 ここまでストレートに可愛げのある性欲をむき出しにできるのって、中学生男子くらいじゃないか。 伊地知くんとかもまた爆発して欲しいなぁ。第一話好きすぎるので。3巻以降に期待。 話がズレたので戻そう。この「トゥー・ヤング」は、堀田が大人を知るお話。 大人を知るとはアダルティな響きだけど、残念なことに「少年よ、これが大人だ」と言わんばかりの現実がここに! うまいこと乗せられて、でもお茶を濁して、辛い現実見せつけて。大人って卑怯だ。 大人への憧れを抱いてこそそれぞれの思春期はさまざまな色合いに輝くけれど 大人への憧れを踏みにじられることも、また大きな出来事だろう。 踏みにじられるというか、子供が勝手に暴走して勝手に失望しただけなんだけれど そういう身勝手さも、肯定的に見ることができるのは思春期パワーなのか。 中学生21 それでもめげない堀田!彼こそ不屈の精神を宿す漢か・・・! というかこのシーンが2巻で一番笑った。 「俺は次の漢字小テストで60点以上取ってふみこの乳首を吸う。だから邪魔しないでくれ(キリッ」 バカすぎるwww このエピソードも、思春期ならではのリビドーの爆発と、うまく行かない甘酸っぱさがブレンドされ絶妙な味わい。いつだって甘さ控えめな青春だ。でもたまにはいいことあるよ。 吹き出してしまうくらい真面目にバカをやっている、この突き抜けた様子も気持いいのだ。 あ、あとのんちゃん先生いい女だなー!クッソ!ナイス大人パワー!いい先生になるよ! 先生になれよ!!!


そんなこんなの「R-中学生」2巻。 個人的には1巻の熱狂というか、あの衝撃に敵うインパクトは2巻では薄れていたかな。 でもそれは1巻の初期衝動とソリッドかつナイーブなストーリーが異常に噛み合って爆発していたためであり、2巻のクオリティが低いということでは全くありません。 むしろ1巻と比べても苦味のあるエピソードが多く、中学生の暴走が紡ぐビターエンドをいっぱいに楽しめました。ああーもどかしい!大事なところで台無しになっていく! 思春期のこのダメダメな空回りっぷりが、最高に痛々しくて、愛おしくて。 バカゆえの暴走が彼らのピュアさを表しているようで、これがまた心がビリビリくる。 上手い、とはちょっと違うかもしれないけど、相変わらず不思議な愛嬌を迷惑にまき散らす愛すべきバカ中学生達の姿は、本当に魅力的に描かれています。 そして彼らを見ながら、読者の自分まで一緒になって心がざわめく。 バカで。たまに真面目になって。エロいことばっかり考えて。情けなくて。 生々しいくらいの中学生が、エネルギー満点でここにいる。すごい漫画だわ。 中学生のエネルギーなんて、8割は性欲だけど。 ピュアで免疫のない心が柔肌さらして、そこにそっと爪痕がのこされていくような。 みんなちょっと傷ついて、たまにちょっとどころじゃなく傷ついて、泣いて、また笑う。 はーぁ。うまくいかねーなぁ、思春期ってのは。 『R-中学生』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆ リビドーとセンチメンタルで心が踊る思春期コミック、待望の2巻。中学生の心の機微に触れるたび、心がキュンとナイーブになる。バカバカしくて甘酸っぱい、そして気持ちいい!