「正直どうでもいい?」

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君も僕もかわっていく。『君と僕。』11巻

君と僕。(11) (ガンガンコミックス)君と僕。(11) (ガンガンコミックス)
(2012/03/27)
堀田 きいち

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   それでも…楽しいことの方が多いから君と僕。」11巻が出ています。涼やかな表紙でいいですなー。このゆる~っとした空気好き。今回は要と悠太のツッコミ担当?というよりクール担当の2人ですね。 11巻もわいわいと賑やかで、甘酸っぱくキュンとさせられました。 男女問わず楽しめる日常系青春漫画ですなぁ。アニメも放送中ですね。 前巻→過ぎ去りし青春、今ここにある青春。『君と僕。』10巻


なぜか応援団なんて似合わない熱血集団に仲間入りしてしまった祐希! 11巻はいよいよ体育祭の本番。祐希の晴れ舞台はどうなるのか、ということだけでなく、悠太やメリーの過ごし方も重視されて描かれていました。いちいちエピソードが青春100%でニヤニヤしてしまうな・・・! 人付き合いの不器用さがこれまで何度もフィーチャーされてきたメリー。 第50話「白のエール」では、クラスの輪に加われることも多くなった彼女が登場。でもやっぱり彼女はなかなか勇気を持てない。 些細なことにおどおどしてしまって、「今の受け答えで大丈夫だったかな」「変に思われなかったかな」とか、不安になってばかり。けれどそれって当然なことなんだな。 前よりも近づけたからこそ、今までにない距離感に戸惑うのは、誰にでもあることなんじゃないかなと。いちいち自己嫌悪して落ち込んでしまうのも可愛らしい。こんなに真剣に悩んでしまうのも、メリーがちゃんと人と向き合いたいって思っている証拠なんだし。 人とのコミュニケーションの不安を解消するのは、またコミュニケーションです。 そんなメリーに人付き合いのアドバイスを送るのが祐希というのも、面白い構図だったなとw コミュニケーションのとり方としては、かなり違ったタイプの2人ですよねえ。 しかしゆるゆるな付き合いをモットーとしているような祐希が、どんなことを思っているのかを覗けました。ゆるゆるな祐希だって何も考えていないわけがないんだ。 辛いこともたくさんあるけれど、「それでも、楽しいことの方が多いから」と語る祐希に、しんみりしてしまいました。 さてそんな今回の主役?といえる祐希。でも個人的にグッときたのは、祐希を見守るお兄さん・悠太ですよ!ゆううたあああああフオオオオオオオ 君と僕。3 余裕ぶっておいて、その実かなり祐希がちゃんと応援団として頑張れるのか心配してこっそりソワソワしていた悠太。そしてそんな心配を見事裏切ってみせた弟に向けたこの微笑み! 双子という最も近しいといえる間柄にだって、気づかないこともある。 もしかしたら近いからこそ上手く見えないものもあるのかもしれない。みんな、なんでもないように過ごす日常の中で、確実に変わっていく。 ちょっとのことだけれど新鮮な驚き。弟を見守るお兄さんはとても嬉しそうです。 しかしこれら祐希関連だけでなく、11巻は悠太が猛烈にかわいいのですよ! チアガール姿の高橋さんを見て、この表情である。 君と僕 本当に、悠太はこっそりとこんないい表情するんですよね! 人並みに女の子に照れたりねえ、こういう少年がチラッと性欲のぞかせて恥ずかしそうなワンシーン大好きなんですなあ。性欲っていうとゲスいけど男子高校生だよ性欲さ。(そういえば自分は春くんの弟の冬樹がデートする話も大好きだった) 今度はなりゆきでも同情でも慰めでもなく、また近づけていけたらいいな、この2人。 第50話は各キャラクターを総合的に描いた上で、変化(成長)していくことを肯定的に捉えた前向きなメッセージが宿っており、かつこれから先に待つであろう彼らの微笑ましく幸福なドラマも暗示しているかのようでたまらないのです。 でも今はゆったりゆっくり、焦っても焦らなくても、まだ高校生だ。


一方で52話「エンドロールで会いましょう」も極上のエピソード。 メインは要と、彼の幼馴染である日紗子。日紗子がメインに来る話はかなり珍しい気がしますし、個人的にこの2人の行方は気になっていたので歓喜せざるを得ない。 迫るのは6月の静奈さんの結婚式。要が恋していた女性が、決定的に離れていく時。 しずねえに送るプレゼントを選ぼうと、日紗子と一緒に考える要くん。 しかし2人の間に致命的に動かすイベントが! 錯覚かもしれないんだけれど、でも多分、互いの唇がかすかに触れた。 煮え切らない幼馴染として続いてきた2人の関係はどうなっていくのやらっつー! 君と僕。2 ブコメ展開・・・来てるな!! いまだ甘い憧れを引きずる要と、それを切なくも暖かく?見守る日紗子。 相手の前じゃあなんでもないように装いながらも、明らかに動揺している2人にニヤニヤが止まらないでやんの、俺が。特に日紗子の浮かれようはすごくかわいいw でも気になるところで次の巻へ続く。・・・くそ、Gファンでこの続きだけでもすぐ読みたい・・・! ラストシーン、恋愛映画のキスシーンをぼうっと見つめる要の表情も味わい深い。 なにを考えているんだろうなあ。きっと報われない恋心を向けた相手か。 「エンドロールで会いましょう」と、詩的なタイトルもしみじみ素敵。誰とかな。


そんな「君と僕。」11巻でした。 体育祭という一大イベントを軸にして、今回もいつもどおり、たっぷりとノスタルジーに心を浸せられる上質な青春物語でございました。 情感たっぷりに心をザワザワとしんみりと刺激してくるのがこの作品の良さ。 今回はけっこう恋愛イベントも多く、ラブコメ好きとしてもお気に入り。 なお、巻末には「君と僕。」連載以前に描かれた読み切りが収録。「あきらとこーちゃん」シリーズではありますが、晃一の弟である太一が登場。こちらもだいぶニヤニヤできる仕上がり。兄弟ラブ。 気になる所で終わったのではやく12巻が欲しいわけですが、発売は冬予定。ぐぬぬ・・・いつもの刊行ペースだけど・・・はやく読みたい・・・! 『君と僕。』11巻 ・・・・・・・・★★★★ むずがゆい、清々しい、さらさら流れていく青春。ラブコメモードで次巻へ続く!