「正直どうでもいい?」

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不器用全開!甘酸っぱい青春オムニバス 『むすんでひらいて』3巻

むすんでひらいて(3) (エデンコミックス)むすんでひらいて(3) (エデンコミックス)
(2011/05/14)
水瀬マユ

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   君達は もっと もっと 先へ進める 水瀬マユ先生が送る青春恋愛群像劇「むすんでひらいて」も3巻目。 順調に回を重ねていっているみたいで嬉しいですし、内容もどんどん面白くなってきています。新キャラも交えつつ、既存キャラの掘り下げもしっかりとこなしているのが好印象。 どんな作品かは以前書いた1巻の記事も見てもらえたら分かるかも知れません。 →青春は走れ!オムニバス青春学園ストーリー。 『むすんでひらいて』1巻 ではではさらりと3巻の感想をー。


収録しているのは第10話からの5話。 第10話「とまどいの初恋」は1巻収録の第2、3話で活躍した牧原さんと夏ちゃんが一緒に遊びに行くお話。恋のライバルではあるのですが、キリキリと胸が痛むような展開は無く、2人でしっかりと女の子同士の友情を育んで言ってる様子で嬉しいかぎり! 20110606221840.jpg (クリック拡大) ・・・と言いつつも、やっぱり甘酸っぱい香りがするのはこの作品ならでは。 牧原さんが勇気を振り絞るのも、色々なことを新鮮に楽しんでいるのも、明智のカッコいいんだかカッコわるいんだかな活躍にドキドキしてるのも、実に微笑ましい。 ですが友達と自分の距離感、そして友達と友達の距離感をふと意識し、ちくりとする胸の痛みに気づくなど、より切ない方向に3人の関係が進んでいっているのだと思わされます。 牧原さんのキラキラ輝く瞳も可愛いのですが、やはり切なくなってしまうなぁ・・・夏ちゃんの気遣いっぷりとか見ても、彼女が涙を流すような展開にはなってほしくないのですが・・・そうなると牧原さんはどうなるのだーという。うーもどかしい。はやく続きが読みたいです。


続く第11話は、3巻ラストに収録された第14話と対になるエピソード。 第14話はもともと14話目ではなく、順番的には本来まだ収録されるはずではなかったはずだったのですが、1冊の中で関連性を持たせるために14話目に引っ越してきたものなのだとか。 登場するのは2巻収録の第5,6話「殻のやぶり方」でほんのり描かれていた、古屋さんと吉岡少年の中学時代の切ないエピソード。すでに別れてしまっていることはもう分かっていますが、今回は彼らのイチャラブ時代とかなしい失恋エピソードまで、一気に2人の過去を垣間見ることができる構成となっています。 11話は吉岡視点、4話は古屋さん視点と、共通するシーンを結びながらこのとき2人はどんなことを考えていたのかを追える作りにもなっており、ニヤニヤせざるを得ないシーンがたっぷり。でももどかしくて切なくてどうしようもなくなるシーンも・・・。 20110606221837.jpg もう取り戻せはしない時間。2人の関係。 一緒にいることは出来なくなってから、やっと吉岡が見つけることができた古屋さんの精一杯のがんばりの跡に思わず涙腺もブルリ・・・。こじれ方もまたガキ臭くてしょうもないけど、中学生なんて色んなものが上手くは出来なくてもがくもの。 切ないけれど、これもまた1つの青春の1ページですよねぇ。 しっかりと前向きに、お互いが過去に整理をつけて再び歩みだすシーンで終わっており、読後感も良かったです。ちょっぴり泣いて、また先へ行ける。


第12,13話「柚のなの!」は1巻から結構登場する朝木先輩と古屋少年のエピソードなのですが、今回古屋を大好きな新キャラ・甘えん坊女の子の柚ちゃんが登場し、素晴らしいラブコメ展開を届けてくれています。やー、柚ちゃんかわいいですわ! 自分ことを可愛いと完璧に自覚した上で武器にしていたり、古屋をゲットしようと古屋家にまで乗り込んで両親にアピールするなど、したたかですがけっこーいい性格してます彼女。 過去話の中ではまるっきりキャラみたく男子たちを上手く使っていたりして、案の定クラスの女子たちから嫌われている小学時代が描かれますが、そこで古屋に惚れた訳も明かされます。 20110606221835.jpg 高飛車女の子が文句いいながらも顔は真っ赤!どうみても陥落です本当に素晴らしいですね!そしてあの偉そうな少女が主人公にベタ惚れの甘えん坊に。この変わりっぷりにも胸が熱くなるというもの! そうして古屋にベッタリと張り付き出す彼女ですが、高校では離れ離れに・・・。 そして高校入学以来に久しぶりに古屋にアプローチをかけにやってきたのですが、この時点で古屋には朝木先輩という想い人が。それを知った柚ちゃんは更に過激な攻撃を仕掛けだすのです。 こういう腹黒キャラというか、何か黒いもの抱えてる感じの子が一途に誰かを想いまくってる様子も素敵なものですね。全力で容赦なく、アグレッシブに勝負をしてる感じが。 服を脱いだ状態でキスをねだるなど、かなりの積極性を見せてくれる柚ちゃんにガッツポーズするのは至極当然ではありますが、本当に胸震えるのはこれからなのですよ! 20110606221811.jpg (クリック拡大) 捨て身の覚悟で迫ったら、逆に恥ずかしくなって動けなくなっちゃったでござるの巻。 ああーなにそれ!なんでそんなかわいいの!柚ちゃんの可愛さが突き抜けてる!! 結局まだまだ大人にはなりきれてないんですねぇ。未熟。そんなところが良い。 次の4巻では朝木先輩に関する話が読めるということで、こちらも楽しみ!


ではまとめ。 青春の面白さをオムニバス形式で送る本作、3巻も安定度抜群。 登場人物は結構多めだと思いますがぽんぽんと新キャラが増えるわけではなく、1話完結形式の中でいくつかのペアの話を同時進行的に進めてくれていて読みやすいです。 今後色んなキャラクターたちが更に絡まりだせば更に面白くなる・・かも。 内容に関しても文句なし。甘酸っぱい恋愛漫画を読みたい人に幅広くオススメしたい1作です。まだ3巻と集めやすい時期だと思いますし。長く続いてほしいです、だらけない程度に。 3巻も十分に楽しめました。夏発売予定(早くてビックリ)の4巻も楽しみ! 2巻に登場した村田雨宮ペアの話がまた読んで見たいですねぇ。ありすちゃんツボすぎて。 ・・・・・・そういえば2巻の更新すっかり忘れてました。あー。 『むすんでひらいて』3巻 ・・・・・・・・・★★★★ 今回も安定の青春漫画。男性向け要素はそれなりですが、女性も楽しめそうな作品。