「正直どうでもいい?」

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軽やかに読ませるテンポの良さが○ 『インシテミル』

転載記事。詳しくはこちらで→[告知]小説の感想記事に関して 少々の修正を加えただけです。昔に書いたものなので現在とはノリが違うのも多いかも。

インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)
(2010/06/10)
米澤 穂信

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(あらすじ by Wikipedia) 「ある人文科学的実験の被験者」になり、7日24時間監視付きで隔離生活するだけで時給11万2000円がもらえるという募集に釣られ、何も知らずに〈暗鬼館〉に集った、年齢も性別も様々な12人の男女。彼らに知らされた実験の内容とは、より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う殺人ゲームだった。 各々の個室には殺人に利用出来る種類の異なる凶器が一つずつ用意され、夜間は部屋から出ることが禁じられるなど多くのルールがある。人を殺せばより多くの報酬が得られるが、犯人であることを指摘されれば報酬は減額する。何もしなくても報酬が貰えるならと、行動を起こさないことが参加者の間で暗黙の了解となり落ち着いたように見えた。だが3日目の朝、参加者の1人が死体で発見されたことをきっかけに、第2第3の事件が発生する。 それぞれの思惑を胸に、怪しすぎる求人に申し込み集まった12人。 そこは超密室の限られた空間に入れられ、極限に追い込まれた人間を観察する施設! 次々起こる殺人事件。疑心暗鬼とストレスで衰弱する参加者。実験はどうなる! っていうクローズド・サークルもの。 12人も登場人物がいてどーしたものかと思いましたが うまいことキャラの使い分けができてて頭に入りやすくできてます。 テキストのテンポも非常にスムーズで、ところどころある気の抜けた会話や描写が読者をリラックスさせ、同時にすぐ巻き起こる惨劇とのギャップでジェットコースター(何 まぁとにかく、非常に読みやすい作品だったということです! ミステリー作品なのであんまり内容についての言及はしたくはありませんが この作品、他の有名作品を独特の形でオマージュしており(凶器の引用とか) 恐らくはミステリ好きの方はそういう方面でも楽しめるのではないでしょうか。 それと主人公の結城がいいキャラしてますよw 最初は全然目立たない、戸惑いつつも持ち前の陽気さでのほほーんと生きてる彼。 間違いなく中盤までは、結城は「読者が感情移入する人物」として、なにも知らない・出来ない読者をこの物語にリードするために配置されたキャラクターでした。 しかし後半、彼は一変。 いつのまにやら集団の中で頭角を現していき、とんとん拍子に活躍してく様は爽快! まぁミステリの主人公ってことで、こうなるだろうとは思ってましたけれど やーラストの流れには痺れましたね!気持ちのいい、高感度も高い主人公。 なんだかまとまらなくなってきたなぁ… えー言いたいことを付け加えてまとめると。 ・テンポいいテキストで非常に読みやすい ・複雑・専門的なトリックは使用していないので、ミステリ初心者(俺)にも優しい。 ・岩井さんかわいい