「正直どうでもいい?」

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加速する青春模様。解き放て音楽の魔法! 『ハレルヤオーバードライブ!』3巻

HOD!.jpg ハレルヤオーバードライブ! 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)    逃げるな。 ゲッサンにて連載中の「ハレルヤオーバードライブ!」3巻が発売されました。 今回この発売に合わせて、ゲッサン本誌では表紙&巻頭、 少年サンデーにてカラー付き特別出張読み切り掲載に加え、 この3巻カバーはリバーシブル仕様で、「ハヤテのごとく!」の畑健二郎先生の描き下ろしイラストがカバー裏に掲載・・・とかなりプッシュされています。 本作の作者・高田先生は畑先生の元アシスタントで、その縁からの今回のコラボでしょうか。 編集部の期待が窺えるというものです。ゲッサンとしてもこの作品を看板に育てたい感じ? 実際プッシュされるだけの、熱い作品だと思います。 それにしてもこの表紙無茶苦茶いいですね。デザイン的では最近の1番のヒットかも! さてストーリー。 3巻は部長さんの実家でのプチ合宿からスタートです。 技術向上と絆を深めることが目的ですが、しかし小雨と冬夜は相変わらずケンカばかり。 上手くいかない練習・・・迫る「賭け」のタイムリミット・・・ さらに麗が予想外の発言をし、小雨バンド早くも崩壊の危機へ! さぁ、どうなるプチ合宿!


今回はかなり「恋愛」をクローズアップした展開が増えてきているなと。 これまでややコメディチックに描かれてきた恋愛感情を、ぐっとシリアスにも魅せる方向へと。 かつストーリーの本筋にもかなり絡ませるようになってきているように思えます。 主人公の小雨はずっと恋を原動力にこれまであれこれやってきたいますが、彼だけじゃなく周囲までもが恋愛方面に盛り上がってきたと言いますか、そういう描写が増えた。 より青春漫画らしくなってきたなと思います。いいよいいよー! 特に今回の合宿でも麗は、それを象徴するかのような活躍。 小雨の焦りはどんどん大きくなっていく。 憧れのハルさんは自分に期待してくれているのに、上手く出来ない、前に進めない・・・。 ハルさんを裏切りたくない。期待に応えてみせたい。 しかし一方、愛し小雨の音楽の原動力が、ハル先輩への恋心であるを知った麗。 中睦まじい2人の様子も見てしまい、練習には集中できなくなってしまうなど 普段のしっかりした様子からはちょっと想像できない、脆い姿を見せます。 「自分がどんなに頑張っても、小雨は自分のことを見てはいない」 そうして涙を流す麗に、タンポポ先輩は励ましの言葉を投げかける。 それはタンポポが自分に言い聞かせるための酷な言葉でもあり・・・ バンドの一員としての、そして1人の女の子としての強い想いでもある。 立ち直った麗はパリッと雰囲気が変わって、小雨に厳しい言葉も投げかけたりします。 でもそれは期待をしているから。 彼はやる男だと、信じているから。 20101118225828.jpg 「小雨くんもカッコいいとこ見せて!!」 発破をかけられた小雨。いよいよ主人公の腕の見せ所!


さて、同時に見逃せないのはハルさんの変化。 主人公の2つ年上の幼児体型ヒロイン。ちっちゃい体だけどメタル大好きドラマー。 小雨はことあるごとに彼女へアタックをしますが(冬夜も)、 ハルさんは超鈍感娘で、一向に自分に向けられている好意に気付きません。 しかし、なにやらちょっとずつ彼女も変わっていっているようで・・・? 20101118225816.jpg 小雨とハルさんは別バンドに所属しています。 例え先輩であっても、他のバンドが決めることに口を出すべきではない、のかも・・・ 分かってはいても、なんだかちょっと複雑なハル先輩。ようするにスネてる! 恋愛感情ではなくても、これまでのことを考えるとこれは大きな進歩ですよ! 先輩と後輩という関係から、もうちょっとだけ近づきたいとも感じてるのかも? 彼女の性格からして、先はまだまだ長いそうですけどもw また、小雨を導き、彼がより高みへ羽ばたくための『スイッチ』となるのも彼女。 その事に小雨もハルも気づいていないのもまた面白い。 無意識の2人が生み出す化学反応。 20101118225832.jpg (クリック拡大) それもまた「音楽の魔法」なのです。


この3巻で各キャラクターの魅力が底上げされましたね。 それぞれのバックボーンがしっかり見えてきて、愛着がわいてきたというか。 今回のプチ合宿編で一皮剥けたというのは強く感じました。 第15話で過去話(1年前)を入ったのも嬉しかったですね。 現メタルりかちゃん結成秘話ということで、非常に高揚感ある内容でした。 しっかしタンポポちゃんかわいいなー!今回の記事では彼女について書けなかったけど、乙女チックで不器用なパンク少女の過去はなかなかグッと来ました。今後はタンポポちゃんがこの作品のラブコメ展開台風の目になる・・・かも?がんばれタンポポ! しかしこの過去話、もう1つ注目すべき点は 20101118234007.jpg ハルさんのポニーテール姿だー! なんぞこれ・・・たまらん・・・! なんだか女の子の画像しか載せてないですが、この漫画は青春バンド漫画! もちろん今回も迫力満点の演奏シーンがたっぷりです。 彼らは本当に楽しそうに演奏するんだよなぁ。本気で楽しんでる。 大盛り上がりの見開きページでのタイトルコールは、分かっていても熱くなる! この作品こういう演出多いんですが、毎回ゾクッとなってしまいますね・・・! 作画も回を増すごとにどんどん洗練されていっていますね。これも見てて楽しめます。 また、この作品は数多くの楽曲が登場します。各話タイトルにも色んな曲が引用されてます。 作中取り上げられた曲を実際に聞いてみるのも、この作品の楽しみの1つかも。 しかし、色々気になる点も出てきましたね。 特に冬夜の兄の存在は、相変わらず意味深。 今回(12話)はっきりと「敵」と断言されましたし、先輩たちとの関係が気になる。 また、第17話でハル先輩は小雨にとある「希望」を譲り渡しますが 彼女が託した「希望」とは何なのかも今後の注目所でしょうか。 小雨に渡したということは、彼が目指すもの・たどり着くであろうものが、ハル先輩の「希望」と重なるのだろう。果たしてなにを願いそれを渡したのか・・・。 今後ますます広がるであろう物語を楽しみにしたいですね。


では短くまとめ。 青春の空気をめいっぱい楽しめる作品になってきたなと思います。 女性キャラがそれぞれゆっくり動きだしてきました。先が楽しみすぎる! この漫画は音楽漫画であるのと同時に、良質な青春漫画でもあるなと! キャラも物語もどんどん熱く面白くなってきている作品です。 いやぁ、続きが楽しみですね。小雨の成長も、作品自体の成長も。 なお、現在発売中のゲッサン12月号で3巻のすぐ続きが読めるようになっています。 また少年サンデーでも、現在発売中の51号に、豪華にカラー7Pを含む特別出張読み切りが掲載されています。こちらもチェックするといいかもしれません。カラーは単行本ではモノクロになるし。(上でも書いたのにしつこいですね) さぁ、いよいよ約束の日。ライブはもう間近。 見せつけろ、音楽の魔法。ハレルヤオーバードライブ!』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆ 今後の期待感うなぎのぼりな第3巻。いよいよバンド本格始動?の前に、ライブだ!