逆三角のサマーウォーズ始まりますね。皆さんがんばって楽しんでください(?
きみのカケラ 7 (少年サンデーコミックス) (2009/10/16) 高橋 しん 商品詳細を見る |
その叫びは、泣き声に似ていた。 やーっと最終第9巻が出た!ということで、積んでた「きみのカケラ」7巻以降を読んでます。 7巻以降はスムーズに刊行されることが事前に報告されていたのと どうせ読んだら続きが待てなくなることは目に見えていたので長らく積んでました。 さてまずは、と7巻を読んでみたら、ヤバいですねこの漫画。 内容的にやや停滞気味だった6巻から、またさらに2年ほど待たされての発売だったこの7巻。 待たされた感も手伝ってか、次々とんでもない展開を繰り広げていく濃厚な一冊に! 苛烈なる戦族の破壊活動。「壁の外の世界」を目指す人々は決して止まらない。 これまで世界の果てだと信じていた。 空のように、月のように、それが当然だと思い込んでいた。 違う。こんなちっぽけでくだらない国だけが世界じゃない。 壁の向こうには、自分たちを救ってくれる何かが待っている。希望がある。 言い伝えに背き、巨人ニシノカムイを破壊していく戦族。 希望を目指す暴力の濁流。 そしてついにこじ開けた、前人未到の世界への扉。 (クリック拡大) 止まない雪が降り積もるこの国は、いつか必ず滅びる。 そのことは誰もがわかっている。分かっているからこそ、世界の限界線だった「壁」の向こうの可能性にすがる人々がいた。その流れに影響され、より力強くなっていく壁の外への羨望。 しかし壁から出たがらない人も当然ながらいるのが、面白いですね。 率先して壁の向こうの世界に進みたがる戦族の中にもそういう人はいる。 今の権力、地位、環境。 「希望」という名で綺麗に着飾った新しい世界は、それら全てを破壊する。 閉じたこの世界の、限られたルールの中で生きること。 それを捨ててまで強く生きたいと思えるかですよね。 そしてそんな保身に走る人々や、破壊でしか道を進めない戦族ではなく、素直に純粋に未来の生を目指す子供達の姿が、なんとも眩しいものですよ。 イコロの発した「生きたい!」は、物語が進むにつれてその重みを増しているように思います。 ボロボロ泣きながらイコロは、いつだって誰より強く未来を欲していたのです。 大切なみんなと、生きていたいと。 さてそんなイコロちゃん、ついに復活しました。 5巻でシロと離れ離れになり、予告ページ等で何度か全裸で鎖に繋がれてた彼女ですが ここに来ていきなりシロとご対面。あまりの唐突さに吹き出してしまいました。 相変わらずのふんわりコロコロな可愛さで素晴らしいですね! 作中時間でも1年ぶり、単行本的には5巻からの3年半ぶりの再会! しかし、まぁなんというか、彼女の登場で少しは救われたものの 7巻のラストは、本当に酷い展開でした。 希望が絶望に変わった瞬間が、あまりにも鮮やか。呼吸も忘れる衝撃。 壁の向こうの、新しい世界。 たどり着いた。この目で見つけた。しっかりと掴み取った・・・そう信じた、一瞬。 世界はあった。壁の向こうにあった。晴れ渡る空があった。光はあった。 けれどそんなのは希望じゃなかった。 未来への唯一の可能性だった壁の向こうにあった、あまりにも辛い現実。 だからこそイコロの再登場には胸が熱い! だんだんと彼女自身が希望になってきましたね・・・物語的にも、読者的にも(涙 大勢の死を前にしても、涙を流せない、悲しめないシロ。 戸惑い叫ぶしかないシロに、泣きながらイコロは言う。 「代わりに泣いてやるから、シロは笑え」 とにかく泣きまくるイコロだけど、こういうところは男前だなぁ。 感情が足りないヒトガタが2人、泣いて笑って、カケラを合わせて。 あなたのために私が泣く。わたしのためにあなたが笑う。 欠けてたっていいんだ。 2人で1つになれば、綺麗なカタチも出来るもの。 そんな感じの第7巻。 かなりストーリーも進んでジェットコースターな展開がとても魅力的。 不規則な刊行ペースや物語の進行の遅さで追うのを止めてしまった読者さん! これを見逃すのは惜しいんじゃないかと思いますよ! 絶望に変わった壁の向こう。そのきらめきを目に焼き付ける少年と少女。 再びつながれた手のひらで、彼らはまだ未来を諦めない。 『きみのカケラ』7巻 ・・・・・・・・・★★★★ 怒涛の超展開に胸震える第7巻!!んでは8巻を読むとします。ネタバレしないでね・・・。