「正直どうでもいい?」

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あなたとわたしの恋愛衝動 『楽園 Le Paradis 』Vol.3

携帯だと綺麗に画像が撮れないのが最近辛くなってきました…。 まぁ画像を使わずに極力文章で面白さを伝えるってのが自分の目標なんですが。

楽園Le Paradis 第3号楽園Le Paradis 第3号
(2010/06/30)
シギサワ カヤ中村 明日美子

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   春に結婚します ちょっと遅れましたが年3回発行の恋愛アンソロ「楽園」Vol3のことでも。 豪華作家陣で送る、珠玉の恋愛オンリー本です。 大好きシリーズなのですが流石に全作品についてつらつら書いていくのもしんどいので 今回も特に気に行った作品について、書きたいと思います。

表紙

いきなり表紙かよ!って感じですがこれ素晴らしいですよ。 Vol1,2では明らかな男性の腕が写り込んでいるイラストでしたが、今回はナシ。 ギュッと唇を結んで、お風呂でリラックス中なんてとても思えない固い表情。 そして目には涙を浮かべています。 なぜなのか…念のために本編を読んでもちょっと理由はわかりませんorz まぁなんにせよ、凄く印象に残る表紙であることに間違いありません。 というかこんな大きいサイズのカラーで、女性の足の裏を見るのって初めてかも。 思わず舐めてみたくなるわけですが、そこは自重しておきました。 ついでに本編の方もこっちに書いちゃおう。 「全ては一つの空の下」…相変わらずインモラルを匂わせるちょっぴりのスパイスが良い。 どんなに強くあろうとしたって、人間なんて所詮どこかに弱点、というか穴がある。 そこをストーンと突かれたら、もうどうしようもないんでしょう。 恋する女の子は強くズ太く、そして無敵にかわいいんだ。

すきなひと

セクロスなう。を妹に見られてさぁ大変!な第3話。 自分たちの関係性に明確なカタチを見いだせないままの2人でしたが こういう外部的な理由を作りだして、答えを出さざるを得ないシチュを作りだしてきました。 ただの友達だなんて、そんなわけがない。 心も身体も、もう深く結びついてしまっているのだから。 かと言って恋人であるとも言いきれないこのもどかしさ!たまりませんw そうそう長く続くシリーズではない、と思いますが、そろそろ大きな動きアリ? でも単行本には「1巻」ってつくし、結構続く予定なんでしょうか。

14歳の恋

子供が大人になる思春期。 周りよりちょっとだけ大人びている彼方と和樹だったが、それはただの仮面。 休日に2人きりになればかつてのような無邪気さでふざけ合う。 ずっと2人で、子供のように笑いあえる。そう信じ続けるばかりで。 しかし偶然同じ日の日直になった2人は、お互いに違和感を覚える……。 大人の仮面をつけてるだけのはずだった。 なのにいつの間にか、自分たちは本当に大人になりつつあった。 しぐさ、表情、髪、喉仏―――そこかしこに薫る、オトナ。 20100716075806.jpg 逆だった。 被っていたのは、子供の仮面必死に必死に、無邪気なフリをしていただけなのだ。 前Vol2や楽園webでは散々あの歳の差ラブコメに悶え苦しめられたわけですが 今回ではまた違った方向の作品で攻めてきましたね、水谷フーカさん。 思春期という、世界のさまざまなことに敏感になるお年頃。 確実に大人に変わっていく自分と、女の子………。 今回は続きモノということで、次号が非常に楽しみな展開。 普段と違う立場からなにかを見た時、知らなかった一面が見える時があります。 今回の話はまさにそれ。 じゃあ、もう子供じゃなかった2人は、2人きりの時はどうする? の答えがアレでは、先の展開に心底期待せざるを得ません。 この年頃の男の子女の子って、そりゃもうみんな輝いてるもんですよ! 自覚なんか無くても!ああ眩しい!もうずっとやってろよ!嵐の中で輝いて!(意味はない

テオブロミン

しっとりじっくりと読ませる恋愛漫画が多い「楽園」でも異色の存在である黒咲さん。 今回は感情的で強いフェティシズム人間性をダイレクトに描いたような作品「テオブロミン」。 毎度毎度いい作品を届けてくれる作家さんですが、これはまた一味違う物語でしたね。 今回はガチエロ。読むと、シたくなる。(最低 肉体でしか繋ぎとめられない、容赦なく凶暴な愛。 力で押さえつけるしかない男と、愛されることを拒む女。 そんな不器用な2人が織りなす恋物語最高にエロティックで、ちょっと切ない。 中出しだの種付けだの刺激的なセリフが飛び交う短編ですが 最後に女が、自分から男の背中に触れるのが素晴らしい。 今だって怖い。愛されること、大事にされること。 けれど手を伸ばせばそれに応えてくれる存在がいる。 身体だけでなく心の繋がりを求めてくれる、そのヒトが。 20100716075828.jpg それが恋で、これが人間。 楽園で発表されたこの作家さんの作品中では、今のところ一番好き。 獣みたいに求めあうって、なんだかありがちな表現だけど、素敵だと思うのですよ。 まぁ女がエロかわいかった時点で俺的勝利は確定的でしたが! ちなみに「テオブロミン」とは、チョコレートなどのカカオに含まれる苦味成分とのこと。

白昼夜夢

予知夢を見てしまうOL、里子。 恋人である櫓が浮気した上に自分から離れていく夢を見て不安になる彼女ですが 夢でみた櫓の浮気相手そっくりな女性が櫓に接近してきて情緒不安定に。 耐えきれなくなって突発的に別れを切り出してしまいますが…… 今回は背徳的な要素はなく、ピュアな恋愛ものとして楽しめました。 ネガティブな予知夢ばかり見ていたらしい彼女ですが 終盤では凄く心穏やかな未来を見れるようになっているのがいいなぁw そして〆のモノローグも完璧。これぞ短編漫画。笑顔になれました。

ディアティア

初々しい直球ラブコメを俺のハートにブチ込んでくるディアティアですよ! 20100716075825.jpg イヤアアアァァアアアア心の叫び 今回はいつもの2人ではなく新キャラを交えてのブコメ合戦。 勘違い・偶然・走りすぎの青春3原則を忠実に守り抜いて 読む者の顔面崩壊も致し方ない、素晴らしいラブコメっぷり!! 絵のタッチにも物語にも清涼感が充ち満ちていて、とても気分がいい作品です。 とりあえず桐ちゃんのかわいさは国家が保護すべき。 20100716075816.jpg ウォオオオオオオォオォオオォ(心の叫び なんかこの作品だけネタっぽい書き方になっちゃったけど以上!マーベラス

夜を重ねる

きた―――――ぁ…来た、だめだこういうダメ。泣いちゃうんですよ。 物語的にネタバレはしない方が絶対いいはず。どう書こう。 偶然終電も出た後の駅で出会った2人の女。 2人とも恋愛のトラブルによってここに集まったので、自然と意気投合しますが…… この物語の素晴らしさを語るに、どれほどの分量と力量が必要だろう。 なんか語れば語るほど大事なものが薄れてしまいそう。 とにかくまだ読んでない人は読んでくれ、と。 20100716092012.jpg 残した人間、残された人間。いまだ強いままの想い。 2人の女性は不思議な形で出会い、僅かな時間の中で様々な気持ちを溢れさせて、別れる。 笑顔だけ、残して。 もう、読むたびなんか視界が水っぽく揺らぐんですが、どうにかして下さい。 中村明日美子先生の体調が良くなって、早くに執筆活動が再開されることを祈ります。 こんな名作読んだら、そう思ってしまうに決まってます。


以上楽園Vol3の感想などなどでした。 続きモノ多くなってきたけれど、できれば一話完結の短編を多くして欲しかったり。 まぁずっとこのクオリティが維持されるなら、なんの文句もありませんがw ※沙村先生の短編も最高でしたが何書いても蛇足になりそうなので書きませんでしたw