「正直どうでもいい?」

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救済ゲームの正否 『クロウカシス』

クロウカシス 七憑キノ贄 予約限定版クロウカシス 七憑キノ贄 予約限定版
(2009/12/11)
Windows

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イノセントグレイ5周年記念作品「クロウカシス」。 やっとこさこれをプレイし終えたので感想記事書こうかと思います。 と言ってもこれ、非常に多くのシナリオパターンを持つ構成をしていますので 正直、どこまでやれば終わりなのか、個人個人で違うかと…。 この作品が発売される前に発表された概要で、最も目を引いたものは ヒロインの救済。 これまでのイノグレ作品では、まーコロッコロとヒロインが惨殺されて参りましたとも。 ある時は四肢切断、ある時はオブジェにされたり、シチューにされたり。 そんなブランドが「次は好きなヒロインを救えるようにするぜ」なんて… なんて甘っちょろいこと言ってやがる!と思いつつも、喜ばずにはいられませんでした。 で、最初にこの作品をやって一番に思ったことを書いてしまうと ややボリューム不足。 クローズドサークルものなので、これまでと同じようなシナリオにはならないと分かっていましたが、ゲーム内時間にして4日。初日はほとんどやることもないので実質3日。 いくら分岐のバリエーションがハンパないとは言え、短いぞよ…。 攻略サイトを見てやると驚くほど簡単に進めると思います。 まぁシナリオに期待しすぎていた、ということもあると思いますが。 楽しみだったヒロイン救済システムは、実際面白かったけどですね。 特に初プレイで紅緒さんの首が飛んだ時には…もう無念としか言いようがなかったww ヒロインの生死が関わっているという点で、行動選択の緊張感もよかった。 この作品がイレギュラー故の楽しみではあります。 システム面ではそんな感じですが、今回もBGMはやはり良かった。 というわけで音楽はちらっと別記事で書くとします。 ではシナリオ。 致命的なネタバレも書きますので気にする方はUターン。 主要キャラごとに書いていきます。

紅緒

紅緒さんマジ天使。 性悪でドス黒い笑みも魅力的だし、非常にストレートな感情表現してくれる。 なのに心には不安に負けそうな、もろい部分もある。 看病されてる時の不安げな表情も、かわいかったなぁ。 しかもキスされたとき、やり方分かんなくて息止めてんだぜ。陥落です。 だから別ルートで首チョンパされたときは本気で涙が…。 メインキャラとしては、あまりシナリオの深部に関わる人物ではありませんが それゆえに主人公とともに謎を暴いていくスタンスで良かったと思います。 彼女とは2種類のエンディングを迎えることができるのですが そのどちらともが、将来尻に敷かれる主人公と上から目線な彼女を想像できて とてもほほえましい内容でした。春のCGも綺麗でしたね。ラブにゃんセット。 詩音がメインの版権絵が多い作品ですが メインヒロインは紅緒か想子かだと思います。 その理由は詩音のところに。

あかね

高確率で殺される上、最初から尻穴調教済みの薄幸メイド。 けれどこのゲームで一番色気のあるのはこの娘ですね。 きちんとこの娘とくっつくエンディングも見たかったなー。

なるみ

最初は一番どうでもいいキャラだったのに 気付けば心のオアシスになっていたサボリメイドのなるみさん。 この人もエロかったなぁ。飄々としていて憎めないキャラです。 エピローグの和服姿もお似合いです。メイドより個人的にはコチラ押し。

いろんなバリエーションで殺されまくる本作随一の不幸キャラ。 彼女の死はトゥルーエンドには不可避だしw エピローグは意外な落とし所な気もしましたがあれでいっか。責任とらないとね。

想子

やられた! まぁ正直一番怪しいのは間違いなかったけれど(ミスリードであかねに引っかかりながら) なんか上手いことやられた感じ。正体を明かすシーンは気持ちよかったなぁ。 ただ彼女の悲痛な過去を伝えることが上手くできていなかったようにも。 やはりこのゲームは全体的に描写がアッサリとしすぎているように思います。 エピローグはなかなか感動的でした。こっちの髪型もいいですね。 ただ「運がない」って設定がほとんど活きてなかったような気がします。

詩音

ヒロインにしてヒロインにあらず。 まさかパケ絵になってるヒロインが、最初っから脇役のオッサンの子を孕んでるとは。 ただ彼女の生きる道、背負う業を思うと、エンディングは素晴らしかったです。 あんな幸せそうな様子を見れて、それだけで満足であります。 2ndファンブックの書きおろしエピローグもよかったですね。 罪に対して真摯に向き合ってくれている。彼女には、なんとか幸せに生きてほしい。 ただ、不満も。 こういうエンディングにするなら、彼女との和姦シーンはナシにすべきだった。 せっかく狂気まみれのレイプシーンがあるんだからそちらだけにすべきだったろう。 彼女の、某彼に対する愛情が薄いように思ってしまった。 何を思って彼女は体を主人公に預けてしまったんだ。 ビンタかませよ!お前他の女にも「守りたいんです」とか言ってHしてたろってな! 彼女と想子のつながりも、非常に唐突に感じました。 複線もなにもなしに出てきちゃった設定に感じましたが、自分が見逃してただけ? あと気になった点など。 シナリオに関してはカルタグラなどで感じた はやく読み進めたくてたまらない!みたいな、焦燥感みたいなものがありませんでした。 あまりにも短すぎる。 まぁシステムに非常に気を使った作品なので、仕方ないのかなぁ。 そのシステムにしたって、もうやること多すぎで逆にやる気なくなるし…。 描写もやたらとあっさりしていましたね。 人が死んでるのを目の当たりにして、「うわっびっくりした」とかそんな感じでしたし。 死の悲しさを伝えきれていない。 紅緒死亡シーンのラブの描写はかなりよかったんですけどね…。 まーでも流石はイノグレ作品。馴染みある声優陣の安定感は素晴らしいですし BGMは言わずもがな、なにより杉菜氏の美麗CGの数々には圧倒されますね。 だからこそ、シナリオでも楽しめるものになっていて欲しかったです…。 救済システムは面白かったですが、これのせいでこのようなシナリオになるなら 救済システムは必要ないかも、と想います。 まとめると ・シナリオは微妙なうえ短い。 ・システムは複雑で慣れてくると楽しめるが、何周もするほど魅力的な物語ではない。 ・某ヒロインがヒロインしてない。物語としてはアリだがエロゲーとしてはどうだろうか? ・紅緒さんまじかわいい。 ・原画・音楽・声優の演技はどれもハイレベル。 以上。また長く書いちゃってすいませんでした。 悪い作品ではなかったんですけど、期待が大きすぎたかな…。


小説ブログの方も本日更新。「藍坂素敵な症候群」2巻に関して。 http://shiori0515.blog57.fc2.com/blog-entry-18.html 特別なことはかけてませんが、面白い本でしたよ。