「正直どうでもいい?」

漫画 音楽 娯楽

群青は春から東から 『青春迷宮』

原神しかやってない人生になってきた。クレーちゃんの重撃で爆ダメ叩き出すと最高に気持ちェェんじゃ。

 

とは言えさすがになにかアウトプットしたくなったので更新。イラスト集のような歌集のような絵本のようなこちらの一冊「青春迷宮」。

 

 

 

青春迷宮 (KITORA)

青春迷宮 (KITORA)

  • 作者:伊波 真人
  • 発売日: 2020/10/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

テンションあがりすぎて変なことをほざいたときのツイッター

マジですべての中学校の図書室においてほしいくらいに純度が高い本だと想う。

 

 

歌集というのは、短歌を納めた本です。31文字の詩です。

イラストは丸紅茜さんはコミティア系の同人だったり一般書のカバーなどで見かけることも多い。めちゃめちゃ好きな絵師さんです。「おくたまのまじょ」、待ってます。

そして短歌は伊波真人さん。歌集「ナイトフライト」の人。ムック本「ねむらない樹」でよくお見掛けする名前だ。

本作はこの二人のクリエイターがそれぞれ50の歌とイラストを描きおろし、それぞれに共鳴しているさまを楽しめる一冊。

 

 

通常、歌集を読むと31文字の文字の連なり以上の情報は基本的にはありません。その中で描かれる情景や感情に思いをはせたり、比喩の跳躍、口にしたときのなめらかさやドキリとするテンポ感またはその破調、摩訶不思議な言葉の接続や一瞬を切り取る刹那の結晶それらをしげしげと眺めては「ふ~む、ようわからんけどピカピカひかっとる、ええやんけ」と脳内お気に入りボックスにしまっていくような作業が待っているわけです(オタク早口) 。

しかし本作はひとつの物語を描くように進行していく。そのことでグッと読み解きやすく、普遍的な青春のピースとしての像が歌からイメージしやすい。短歌の入門としてもかなりとっつきやすいと思う。

キャラクター性もハッキリとしている。断片的に小説の一節を読んでいるような歌たちはどれもほどよく抽象性で、ほどよく限定的で、そのゆらぎのなかに「私だけの日々」の愛おしさややるせなさがパッケージされている。

キーワードとして「星」「学校生活」といった要素を全体の裏テーマとしておおく詠み込まれており、全50首の作品としてテーマが確立されているようにおもう。

加えてやはりイラストの存在が非常に大きい。やっぱ、丸紅先生のイラストは味わいっ深い。思春期の、あの日々の、君との距離も世界との境界もあいまいで鋭敏で、沈み込んではときおり水の底から光る言葉たち。絵とイラストがすばらしく共鳴している。

歌も、男女どちらの歌かわかることで(またはどちらにも共通するような歌であることで)より、感情が交差している感覚を味わえるつくり。

交差しているにも関わらず、伝えられない言葉をおたがいに秘めているからこそ、悶々とするし美しいのだが……。 

 

 

いくつか、好きな歌を抜粋する。

校庭にくじらのように横たわる校舎の影が午後を飲み込む

そこを歌にするか、という感触のすぐ読んだあと思い出した。そうだ、夏の午後になると太陽が校舎の裏にまわり、日が沈むにつれてどんどんと校庭の影がおおきくなっていったこと。穴が次第に大きくなっていくような、飲み込まれてしまうような青黒い影を、授業中に眺めていたのを、10年以上前のあの視覚情報が一気に脳みそに蘇った。

校舎の影が校庭に広がっている。ただそれだけの歌なのに、触れがたいなにかに触れてしまったような、記憶の扉をふいにあけてしまったようなドキドキがある。高揚感ではなくて畏れのような感覚の。

この歌にはっきりとした感情は載せられていないけれど、読みての記憶や体験にオーバーラップすることで普遍的な、しかしそれを発見したありふれた僕らにとっては特別な発見だったを思い出させてくれる。気づいたときには発見したような心地だったんだ、校庭を飲み込んでいく大きな影は。そこにいろんな想像をあの影に投じていたような気がする。影送りとか、影の深い大地に溶けるように紛れる忍者とか、ムカつくやつの顔だとか。

 

同じような視線として

数学の記号が魚に見えてきて教室という海へと放つ

本気で授業の内容が頭にはいってこなかったとき、黒板に書かれた記号をなんの理解も出来ないままノートに書き写していた。そういう時こんな感覚になっていたように思う。まるで生き物みたいに、次から次へと姿を変えていく記号たち。不思議に生き生きとしだす薄水色の方眼ノートの黒線たち。

完全に勘違い。記号は記号だし姿はかわらない。寝ぼけながら板書をとっているからそんなことになる。でも想像を膨らませて、記号を魚に変えて、教室に海にして、そこに放つ。押さえつけられた感情がしれずしれずに出口を探すような、そういう願いも込められていたのかもしれない。

 

職業の適性検査の結果では灯台守がぼくの天職

 

どんな嵐の日にもそこにあり続ける。だれかを待ち、誰かを送り出していく。変わりたくないどこにも行きたくない、そんな心の声が指し示してしまった「灯台守」という結果。そんなわけはない。いつの時代の職業検査だろう。

調べたが日本では2006年を最後に、有人の灯台は消滅したようだ。(むしろそんな最近まで「灯台守」っていたんだ

でもこの感覚、当時の自分もあったと思う。

漠然とした未来への不安、いまのままずっと在りたい。置いてけぼりを食らってもいいと思うほどに変わりたくなかった。

願わくば誰かそばにいてくれたり、だれかの帰りを待ったりしていたんだけど、そんなことはもちろん言葉には出来なかった。消極的すぎる。でも本当のことだったと思うのだ。

 

冬空をともに仰いだあなたにはみえない星を胸にともして

 

奇跡のような時間があったとして、けれどすべてをさらけ出す勇気はなかったのだと思う。この歌はこの歌集のストーリーを読み解く中でも重要なピースだけれど、この一首だけ取り出してもきらきらしているように思う。

「ともに仰いだあなたにも」ではないのもポイント。大切な夜があった。それをともにするあなたの存在があった。でも、だからこそなんだろう。一時、記憶を共有できるだけの距離感だからこそ、改めてはかられていく言葉や感情。

ともに仰いだあなた「には」見えない星、それはあなたが特別だからこそ隠した思いの強さを感じさせる構造だ。

 

うつむいて僕はみているもう履かない上履きの甲には落ちた三日月

クライマックスの一首。うつむいて、あなたの顔を見れなくて、上履きのつまさきのラバーのかたちがまるで三日月みたいで、そうして春は忘れられない季節になっていく。

 

などなど。

この歌集は、完全に忘れ去っていた学校生活のさりげないワンシーンや、授業中にぼんやりと感じた色のない感情をみずみずしく思い出させてくれる。

学生じゃなくてしばらく経ったからこそ懐かしく思う部分もあるけれど、

できればリアルタイムで学生の人にも「同じようなこと考えて、それを短歌にしている人がいるんだ」という感覚を味わってもらえたら、きっと楽しいんじゃないかと思う。

 

 

 

 

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そして本としてのデザイン、レイアウトやタイポグラフ的な面も技がきいている。ようは短歌がただ書かれているのですなくオッシャレに遊び心が加えられ、本をめくるたびに新鮮な誌面を味わえるということ。

歌の内容とイラストはもちろん、このデザインによっても感情は増幅されていく。

例えばグルグルと感情がめぐる悶々とした歌では、言葉はまるで出口をなくしたように、あるいは塞ぐように「私」を取り囲む。

さみしく言葉が反響するような場面では、その通りにいくつもの言葉が連なる。繰り返すことで本来の意味が失われていくようなデザインがさらに切なさを加速させていく。

限りある時間を惜しむ歌では、その歌そのものが砂時計となってこぼれ落ちていく。

 

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プロローグとして春から始まり、季節を移りそしてまた春に至る物語。

「青春迷宮」と名付けられたこの本は、行ったり来たりの感情と関係に終始甘酸っぱい気持ちを味わわせてくれる。そして永遠にこの時間が繰り返されているかのような、停止した青春を追体験させられているような感覚になる。

まるでこの世界は、名前のないぼくときみの世界を、キャストとシアターを入れ替えながら何度でも上演していく舞台演劇のようだ、と。

こんな感覚に取りつかれたらまさに迷宮。もしかしたら自分もこの舞台の一員だったのでは……?

 

 

 

いや、そんなことはない。考え直しそう思い出そう。おれにこんなキラキラした時間なんてなかった。教室の片隅で電撃文庫とMF文庫Jを読んでるだけの眼鏡だった。

でもそれでもよいのだ。なんのドラマもありはしないが群青の日々は10代の僕にもあり、あの教室で誰かがこんな「青春迷宮」に迷い込んでいたのかもしれない。その気配や匂いは、感じることができていた。

 

なんだか久しぶりあの教室の、しけった6月のホコリ臭さを思い出してしまったな。

 

そしてこれを読んで「なんかよくわからんけど良いな、自分にも短歌作れそう」ってなったらこの作品は勝ったと思う。自分もこの本を読んで1首作ってみた。

 

 とこしえのメタファーとして十代の群青は春から東から

 

 

 

 

 

 

5枚組大ボリュームのサントラ「Grandia Complete Soundtrack」が届いた

 

友人が先日このブログで記事を投稿してくれました、が、とうの自分がしばらく更新サボってたんでは恥ずかしいな。ということで久しぶりに更新をする。

 

 

皆さんご存知でしょうか。令和ともなろうこの2020年に、あの名作RPGグランディア」の大ボリュームのサウンドトラックBOX、

 

「Grandia Complete Soundtrack」

 

が発売されたことを。

それもなぜかフランスのゲームレコードレーベルから。

 

www.wayorecords.com

 

 

いや、読めないんだよなフランス語。

 

 

www.4gamer.net

 

 

こちら4亀の紹介記事。

 

 グランディアとは97年にセガサターンで最初に発売されたRPGです。

根強い人気があるとはいえすでに死んだシリーズですし、しかもこんなガッツリの新規商品が2020年に出るとは。

グランディア自体はsteamやswichでHDリマスターが配信されるなど、近年にわかに動きを見せていたことはありますが)

97年リリースの作品がいま書き下ろしジャケットでサントラ発売とはなぁ。

 

 

 

www.youtube.com

 

サントラ発売についてのものではないですが今年、キャストの座談会動画もアップされたりして「マジでどうした?もしかしてシリーズ再始動?」とか期待してしまったな・・・まぁ・・・3で強制的に埋葬されたのでそっとしておいてほしい気持ちもありますが・・・

 

 

ゲーム音楽に感動した原初体験なんですよ、グランディアは。

物心ついたころにはいえにセガサターンがあり、父親がこのゲームをプレイしていたんですね。俺はポケモン緑をやっていたんですが、テレビに映るグランディアのグラフィックはマジで最高に魅力的だったのを覚えている。

3Dによる先進的な表現なのに描画自体はなじみ深いドット表現でかわいらしいし、アニメ調のキャラ絵も今見直しても古びれない。

 

そして音楽。

オープニング曲はゲーム音楽としてはそれなり有名だと思います。本当に何度見ても冒険者のタマシイが震えちゃうんだよな。

 

 

www.youtube.com

 

 

 

 

今回のBOXは過去発売され現在は絶版となっていたCDの復刻版のようなものです。

 収録曲や詳しい内容なんかは下記ブログさんなんかがガッツリ書いてくださってました。

alent.hatenablog.jp

 

海外サイトから直接購入した人はすでに9月には手元に届いていたようですが、自分はamazonでポチったのがしくじりましたね。延期延期を繰り返し、amazonもしかしてこれ入荷ルートをコロナで絶たれたか?と心配していました。

ようやく届いたのが11月7日。

最高のカバーデザインである攻略本といっしょに記念撮影。

 

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書き下ろしジャケットの3人が、おそらくみんなが強烈に焼き付いている「世界の果て」に向かっていく場面で、これだけでも昂ってしまうんだ。

 

攻略本も名著ですよねコレは。(攻略本に名著と言えるかどうかはさておき)
読み返しすぎてボロクソになっちゃった攻略本も実家にありますが先日中古屋でみつけたので衝動買いしてしまった2冊目です。マジでいい本。この時代のRPGの攻略本ってなんであんなワクワクするんだ。

 

 

 

というわけで今回の記事はサントラを聞きつつ、なんかグランディアのことを思い出しながら書いてみます。

 

それではざっくり内容を紹介。

 

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ブックレットはフランス語で書かれている本国仕様。ただしスタッフインタビューなど特に史料価値が高いと思われる箇所は抜粋というかたちで日本語訳が付属しています。

 

>Disc 1はオーケストラをフィーチャーした「Orchestra Side」。

グランディアの中でも感動的で雄大な音源が選ばれ収録されています、いわゆるわかりやすい名曲ラインナップ。もちろんあのテーマ曲も1曲目に。「スーとの別れ」なんかはもうあのイベントシーンのグラフィックがそのまま脳内されてしまいそうな名曲です。個人的には「アレントの美少女」なんかも、あの世界の神秘というか、人ならざる文明と出会ってしまった感触のようなものが曲単体からでも表れている思う。

今も古代文明とかのムック本を読んでテンションをあげているような成人男性となってしまいましたが、そういうのに惹かれる原因を作ったのは幼少のころ触れたグランディアウルトラマンティガだと思っています。

 

>Disc 2はシンセサイザーをフィーチャーした「Synthesizer Side」。

街やダンジョン曲が中心の箇所かな。グランディアの世界観を表した様々な民族楽器やミステリアスな音色で彩られた曲も多いです。「ガンボの祭」なんかめちゃめちゃサイケデリック。荒っぽい祭りの掛け声なんかもサンプリング?されており、このゴチャッとした聞き心地もひとつのグランディアBGMの魅力と思います。

しかし幕開けの「プレリュード」が、まさにゲーム本編開始直後に流れてくるあの曲なのもなんだか無性に懐かしい。「うみねこ亭リリィ」の安らぐ感じと、港町の元気な食堂という雰囲気が混じり合ったとても好きな曲。あと個人的にはジルパのテーマ曲も好きですねえ。

 

 >Disc 3および4はゲーム使用曲のオリジナルサウンドトラック。

ボス曲や戦闘曲がメイン。いわゆる名曲選からは埋もれがちな曲も多いがゲームをプレイしている中で自然と耳に残る曲も数多い。「完全勝利」なんかは流れるシチュエーションもそうだけど曲そのものがとても爽快。アグレッシブなファンファーレ。

そういえばゲーム本編ではゲームディスクを入れ替えると戦闘BGMも変わった。そういう部分でもワクワクさせられたのを思い出しますね。

Disc1,2と比べるとメロディが強い曲というよりゲーム本編の効果音とか環境音的に聞こえていた曲が多い。その意味でもこの2020年に至って改めて「曲」としてこれら楽曲を聞き直すいい機会になったと思う。

 

>Disc 5は1998年に発売されたアレンジサウンドトラック「Vent」の再録

この音源は完全にはじめて聞くものばかり。原曲のメロを生かしつつも、かなりしっとり目のアレンジが目立っていますね。「アレント-聖なる宴-」なんかは新鮮なピアノの旋律からボーカルも入ってかなり印象に残るアレンジ。そこからのラスト3曲も感動的なアレンジとなっており、グランディアをたっぷり遊んでBGMも頭に入ってる人ならグッとくる引用もある。生音重視でオシャレな楽曲集。

 

 

 

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マジでいま「原神」しかやってないしシャニマスとミリシタにしかお金をかけてない元ゲーム好き人間ですが、やっぱりグランディアは自分のなかの原風景のような感触がある。

RPGの主人公と言えば青の冒険服の少年だし、ヒロインのCVは日高のり子なんだよな。(いやイメージが古すぎるだろ20代とは思えん

最初のパームの街では膨大な小ネタに街の住民の生活感の表現、スチームパンク風味な世界観、グリングリンに360度見渡せる当時としては異様なアニメーショングラフィック・・・・・・

ジャスティンとスーとフィーナの3人で世界の果てを目指すまでの序盤、

ガーライル軍の秘密やより風俗的にディープな街の魅力もアツい中盤、

そして少年が世界のため立ち向かっていくド王道の終盤、

マジで隙がない名作RPGなんですよね。自分のなかのグランドチャンピオン。

 

 

 とはいえもう古い作品であることに間違いないはないので、ときたまコミケに出される奇跡のようなグランディア本を買い集めては飢えをしのぐ日々を送っていましたが今回の一連の商品リリースは久しぶりに公式供給の新規アイテム。

過去のOSTも実は自分は所有していなかったので、購入できてよかったです。ゲームサントラってふと逃すとプレミアつきますし、今回は日本国外リリースなので買っとくが吉かも。

こうして改めてBGMを聞き直すことでまたプレイしたくなってきましたね。セガサターンで1周、プレステ移植で・・・何周だ?あとPSPでアーカイヴ版でもプレイしたな。

セールやってるときにでもsteam版を買ってしまうかもしれない。最近でているHDリマスター版のグラフィックも確かめてみたい。

HDリマスターと言えば、最近だとVtuberなんかがいまグランディアを初プレイしている動画が上がっていたり、今からでも新規プレイヤーがいてくれるのもうれしい。

 

www.youtube.com

 

ファンの間では有名な話だが監督を務めた本谷利明さんがHP上で当時の資料をかなり公開されているので懐かしいついでに見直すとここにきて思わぬ発見があったりするのでお勧めです。

 

www4.plala.or.jp

 

 

 

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まーじで今からでもこのイラストのB2くらいのポスターとかタペストリーとかのデッカいグッズが欲しい。なんとかなりませんかゲームアーツさんガンホーさん。

 

なんだかとりとめのないグランディア回想記事となってしまったので終わりです。

 

 

 

 

GRANDIA (COMPLETE SOUNDTRACK) [Analog]

GRANDIA (COMPLETE SOUNDTRACK) [Analog]

  • アーティスト:NORIYUKI IWADARE
  • 発売日: 2021/03/19
  • メディア: LP Record
 

 

『シャニマス』シナリオ資料・最強リセマラランキング~『MUSIC DAWN』パンフレット&BD編~

(注)

本記事は「テンション上がりすぎて記事書いちゃったんだけど投稿する場所がない」という「そんなテンションの上がり方ある?」なアッパーすぎる友人・葵が書いてきたものを掲載しています(管理人・漣)

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まずは結論

『MUSIC DAWN』のイベントグッズ二次受注販売が11/15 (日)までなので、公式パンフレットを(シナリオやキャラクターの資料として)買おう!

※二次受注販売の当該商品URL / https://shop.asobistore.jp/products/detail/152202-00-00-00

 

理由な目次

1. 『MUSIC DAWN』とは?

2. 『MUSIC DAWN』公式パンフレットの変  

3. 概要~パンフレット編~

4. 概要~BD編~

4.5 概要~ノクチル、或いは樋口円香編~  

5. まとめ

6. 閑話

 

1. 『MUSIC DAWN』とは?

シャニマス※1の為、5億年ぶりに筆を執った葵(あおい)です(挨拶

 

まず、あなたは『MUSIC DAWN』を知っているだろうか?

正式名称は『THE IDOLM@STER SHINY COLORS MUSIC DAWN』。

ググったりしてもらえれば何となくでも掴めるだろう。要は「配信ライブ」だ※2

配信であろうと、P※3にとっては実に8ヶ月半振りのライブであり感極まった……などは本記事の主題ではないので割愛する。

 

その『MUSIC DAWN』物販(※公式通販)で、「そのグッズでそんな事する!?」・「シャニマス君そういう所だぞ!?」が発生している。

但し、このミスマッチは当該グッズの本来の性質と公式の宣伝下手により、明るみに出ていないように見受けられる。

しかし、この当該グッズ、今まさにシャニマスにハマっている感情豊かな拗らせP達にこそハマりまくるはずなのだ。

そこで、「是非もなし」と5億年ぶりに筆を執った。

 

2. 『MUSIC DAWN』公式パンフレットの変

当該グッズは、公式パンフレットと(公式パンフレット特典の)BDだ。

普通に考えて、ライブのパンフレットはお布施の意味合いが特に強いファンアイテムだ。

況してや、中の人とも言われる演者の方々に興味がなければ、ファンとて買わないだろう。

特典のBDなど、演者の方々を映している訳なので、その最たる物であると思っている。

 

――だが、ここに、例外が存在する。

 

3. 概要~パンフレット編~

まず、このパンフレットの質問と回答から"""強い"""。

例えば、演者の方々に「シャニマスでお気に入りの曲を1曲選ぶとしたら?」と質問している。

もし自分が同じ質問をされたら、リップサービスや自分の担当楽曲への想い入れ、そういった感情で自分の歌唱曲を選ぶだろう。

しかし、演者の方々は「ガチ」で答えている。何と、厳密に自分の歌唱曲を挙げている方は、放クラ3名しかいないのである。

むしろ、他の演者やユニットの楽曲を答えている方々が圧倒的なのだ。

 

……俺達か?

ちなみに、筆者は『MUSIC DAWN』開催日にシャニマス楽曲プレゼンを行い、各ユニットベストを友人と協議したりしていた。

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4. 概要~BD編~

ともあれ、このパンフレット、まだ児戯に等しい

本番は、まさかまさかのBDの方なのだ。

 

「演者を映すBDで一体何が……?」の解が、以下の質問だ。

Q1. 「担当アイドルとのこれまでの印象的な出来事を振り返って下さい」

Q2. 「担当アイドルのセリフで印象に残っているものはありますか?」

Q3. 「衣装(サンセットスカイパッケージ)について」

Q4. 「2周年を迎えた今の気持ちをプロデューサーさんへ」

 

2つ目の質問、283プロダクションでPを務めている各位は「ティン!」と来たのではないだろうか?

そう、演者各位は「具体的なコミュ」を想い入れたっぷりに挙げて来る……!!

そりゃそうだ。「一番印象深い台詞」を質問されたのだ。演者として実に誠実な回答だ。

しかし筆者は「演者を眺めよう」という実に安易な心構えでいたので、ぼくの心のやわらかい場所を今でもまだしめつけられる。

 

例えば、月岡恋鐘 役の礒部花凜 さん。明言していないが、完全にG.R.A.D.である。

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恋鐘のG.R.A.D.をクリア済みなら、礒部さんの語る「恋鐘の283プロのアイドルとしての想い」が如何程のものか、言葉でなく心で理解できるだろう。

 

同様に明言はしないが、田中摩美々 役の菅沼千紗 さんは、完全に【パープル・ミラージュ】である。

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【パープル・ミラージュ】は、摩美々/Zeroとまで言われる、摩美々の過去、アイドルになる事を決心した経緯、Pという存在への本音を描いた傑作の一つだ。

そんな重要な内容をメインシナリオではなく、期間限定ガチャでやるな。シャニマス君、本当にそういう所だぞ?????

惜しむらくはシャニマス七つの大罪の一罪・期間限定であるため、今は入手手段がない事だ……。

この流れ、FGOでも山程見て来た構図なので、ガチャや期間限定は本当に悪い文明。次のユガでは不出来で邪悪な存在として消されて星井。

 

八宮めぐる 役の峯田茉優 さんは、彼女自身が有名なPだ。故に、質問の意図の汲み取りも取り分け上手い。

1つ目の質問への回答から具体的なカード名と共に、めぐるとのエピソードを語り始める。

【チエルアルコは流星の】

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このカード名だけで、めぐるPやめぐる担当はお気持ちになれるだろう。

しかし、まだ終わらない。本命の2つ目の質問への回答が残っている。峯田さんは続ける。

【小さな夜のトロイメライ

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筆者は絶叫した。

チエルアルコ→トロイメライ聖蹟桜ヶ丘(汎人類史)の最強コンボであり、オーバーゲージからのオーバーキルである。

しかも、【小さな夜のトロイメライ】で語られる台詞は勿論、めぐるP/めぐる担当/P各位がお気持ちになったであろう、Trueの「あの台詞」なのだ……。

 

放クラは、お気持ちになりがちなユニットではないから大丈夫だろう?

かく言う筆者もそう油断した一人なので、シャニマスという過酷なニューメキシコの荒野でその辺のサボテンに刺されて死んだ。

参考までに、西城樹里 役の永井真里子 さんからは【坂道だらけのこの街で】が語られ、筆者は「何……だと……?」と反応しながら泣いた。

 

そして、ここから、即ち後半の比重が馬鹿なのである。

アルスト→ストレイ→ノクチルだ。

無理でしょ?(素

 

アルストは、筆者が冷静でいられなくなる懸念があるため、一部のみ抜粋をご容赦いただきたい。

但し、共通して出て来るのが『薄桃色にこんがらがって』な時点で、ご推察いただけるのではないだろうか?

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前川涼子 さん(大崎甜花 役)&芝崎典子 さん(桑山千雪 役)

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ちなみに、大崎甜花 役の前川涼子 さんはさり気なく【I-DOLL】にも言及してくれ、視聴者のお気持ちを加速させる。

 

ストレイは、そもそも演者3人が"""強い"""ストレイのオタクであるため、言うまでもない。

かの有名な「あんたはここでふゆと死ぬのよ」の黛冬優子 役の幸村恵理 さんに限らず、他2名も全く休ませてくれない。

 

4.5 概要~ノクチル、或いは樋口円香編~

しかし、最大の問題はノクチルであろう。

ノクチルは、「さよなら、透明だった僕たち(チルアウト・ノクチルカ)」とかいうOSRキャッチコピーと共に、今年の2周年で実装された新ユニットだ。

「さよなら、透明だった僕たち(チルアウト・ノクチルカ)」、最早ルビですらなく、筆者は直近の類似例は「蒼輝銀河即ちコスモス(エーテル宇宙然るに秩序)」しか知らないぞ?

このノクチルによって、シャニマスという地獄天国に足を踏み入れた各位や、透明にこんがらがった各位も多いだろう。

 

そんな各位に、このスクショだけは届けたかった。

尚、樋口円香 役の土屋李央 さんは、この時点で最低でも『天塵』までは収録済と推測される。

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え?????

は?????

待って。

 

樋口円香というアイドルは、現在進行系で、こうした内面が描かれつつあるのだ。

こういった事は、限界円香P/円香担当の間では考察されている事ではある。

だが、公式監修のBDで演者が明言……だと……?

感情が追い付かない。人生で一番チルアウト・ノクチルカになった。

 

追撃の如く、福丸小糸 役の田嶌紗蘭 さんも【ポシェットの中には】等を語り、市川雛菜 役の岡咲美保 さんからも雛菜の抱えているであろう「不穏」が仄めかされる。

黒崎一護さんレベルで、終わりだ……。もう1年くらい、ノクチルに心を掻き乱される事を悟った。

そんな折、『MUSIC DAWN』Day 2の「任せた」「……任された」があったのだ。

……思い返すと。今でも、胸が痛くなる(特別意訳:号泣する

「僕たちは、きっと大丈夫だ」だと、ノクチルも光になるのだと、公式自ら示してくれた。

 

5. まとめ

さて、以上は「ほんの一端」でしかない。このような情報が当然ながら「23人分」収録されている。

どれも、シナリオゲーやキャラゲーとして、シャニマスにハマっている各位に特攻だと思わしい。

 

故にこそ、本記事冒頭の結論を繰り返そう。

「『MUSIC DAWN』のイベントグッズ二次受注販売が11/15(日)までなので、BD付パンフレットを(シナリオやキャラクターの資料として)買おう!」

※二次受注販売の当該商品URL / https://shop.asobistore.jp/products/detail/152202-00-00-00

 

言うまでもなく、演者のファンな各位や2周年衣装(サンセットスカイパッセージ)に興味関心を持つ各位には、もっともっとお勧めできることを付記しておく。

 

6. 閑話

筆者はブログ執筆が年単位ぶりなので、拙い所も多々ありまくると思うが許していただきたい。

また、スクリーンショットの引用表記が誤っている場合等、以下宛ご指摘いただけたら修正する。

@xiang4ri4kui2

 

また、本音として、この記事執筆は悩んだ。

というのは、シャニマスアイドルマスターは、別に演者を追う必要があるコンテンツではない」からだ。

例えばゲーム、例えば楽曲、それだけでも充分にファンである。

人によっては「キャラクターと演者は切り離しておきたい」という方もいるだろう。

P歴14年の自分でも、昨今のライブ偏重な気がしなくもなくもない傾向に思う所は正直ある。

 

だからこそ本記事が、ライブ推奨や演者との接続推奨として機能することを今でも懸念している。

でも、仕方がない。本記事を書いてでも、届けたいと思ったのだ。

筆者のシャニマスへの想いは、それほどに強かった。

 

だから、本当の本当に最後に、もう一度書いておきたい。

シャニマスアイドルマスターは、別に演者を追う必要があるコンテンツではない」

 

それでも、今回紹介した「『MUSIC DAWN』公式パンフレット」は、シャニマスを楽しんでいるP各位に資するものではないかと思っている。

筆者としては、マストバイ……とまでは言えなくとも、本記事のために(年単位ぶりに)筆を執ったくらいには強くお勧めする逸品である。

 

尚、もしここから演者の方々の沼にも沈みたい好事家の各位には、某SoundなOrion、某居酒屋、某しぇあなはうしゅ etc.etc. と介護も手厚い。

それ等に関しては、やはり本記事の主題ではないので、また筆を改めたい。

……いや、むしろ、そこは筆者の管轄ではないのでは?

 

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脚注

※1. 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の略称。要は、色々あるアイマスのシリーズの1つという捉え方でOKである。
※2. 本記事を読む上で特に見る必要はないが、一応URLを併記しておく。 / https://idolmaster-official.jp/live_event/shinycolors_musicdawn/
※3. プロデューサー&プロデュンヌの略称。男性や女性を問わない、アイドルマスターのファンの総称という捉え方でOKである。

シャニマスサマーアイドル2020 一人反省会

11/7追記

今見返したらツイッター上のサマーアイドル投稿ぜんぶ見れなくなってる・・・?画像保管してなかったの残念・・・

 

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#シャニマスサマーアイドル2020

 

シャニマスサマーアイドル2020、それはポエムバトルの様相を呈したひと夏の思い出・・・。

 

お題となる夏のアイテムや行事が発表され、それに合うようなカードイラストとオリジナルのキャッチコピーを添えて投稿するという企画。

急に餌をブチまけられ慌てふためく感傷だらけのシャニマスP。いまシャニマスに熱中しているようなオタクは情緒をこじらせることと紐とくことに快感を覚える連中しかいないので親和性がバカみたいに高い企画なのだった。まさかオリジナルポエムで勝手に文脈を付与していいぞ!と新しい遊びの場を得てしまった。

最初は自分も企画がよく理解できなかったが、開催されると同時に衝撃が走る。

 

 

企画ページがリリースされるや否や、いやもうこれ”正解”だろ!!と爆笑しちゃったな。「ぼくらは乾いてる、いつだって」というコピー、ノクチルというグループの性質とドラマ、そして水分補給飲料、すべてがシナジーを生んでいる。

いま振り返っても明らかに正解だ。だからこそ、がぜんワクワクしてしまった。もとよりブログでポエム吐き散らかしているので羞恥心もなにもないのである。

 

というわけで本日9月16日、夏の気配も静まったこの頃、シャニマスが2020年の夏を締めくくった。受賞作が発表されました。

 

 

 

 

 

 

うめぇ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!

シンプルに、イラストとキャッチコピーが響き合っている。自分もこのイラストを使った投稿はしたんですが、必要だったのはこの視点だったんだ、と。商品を購入し飲んだあとのドラマに目を向けているので販促コピーとしての役目も効果的にこなしている。抜群にいい。ポエジーの瞬発力と、企画の意図を汲んだ広告作品としての完成度のバランスが完璧じゃないか。すばらしいですマジで・・・。

 

 

 

 

というわけで説明終わり。ここから自作の反省会です。

一人反省、全体としては

・企画の意図を無視し情緒に振りすぎた

・趣味のまま書いたらどこか後ろ暗く、ポジティブとはやや離れた(広告のキャッチコピーとしては……)

・シチュエーションの再現を目指しすぎてスッキリしないコピーに陥りがちだった

 

え?ガチで狙いに行ってたの?って思われるかも知れませんが、ガチでした。 

動画になるということは読んでくれるはず!という見込みは当たっていて、自分のポエムを声優さんに読んでもらえる機会なんてなくない!?とテンション上がってたんですが、思えばその気持ちがデカすぎて広告企画の意図を無視してしまっていたんだよな……ガチ反省でしょこれ・・・

 

 

人生を教えてくれた 傑作! 広告コピー516 (文春文庫)
 

 

 

 コピーの勉強するためにこの本を買って予習しました。勉強にはなったけど、まーじでコピーライターってめちゃめちゃ頭をひねってシンプルな言葉を紡いでいるんだと再認識。

 

 

 最初に作ったもの。

お題から考えていって、水分補給=生命にとって必要なもの=生命力=ひかり、等と接続していって光と言ったらイルミネ。当時実装されたばかりでこのイラストの魔力に取り憑かれていたこともあり、真乃に決定。

「みずから」という部分の掛け言葉がフックとなる構成にしたんですが、無理やり感みたいなのが出てしまっておりイタいな。駄洒落は主張させすぎずにさらっと飲み込ませたいんですけど、駄洒落に気づいてもらいたい感が出すぎているというか、それナシでは成立しないコピーなので失敗と思う。

 

 かなり趣味に振っているのでお気に入りですが、広告コピーとしてはまどろっこしすぎる。受賞作品と同じイラストなので比較ができてしまうんですよね。描きたいシーンや感情を抽象化するにあたっての削ぎ落としがまだまだ足りていなかった。

意図としては、おそらくたくさんの人がやるであろうボトルを覗き込んでいる側ではなく反対をやりたかった。覗き込まれている女の子からの視点ですね。そこに透の名前だったりボトルの透明感から「見透かす」という強めのワードを選んでねじ込んでみた。イラストのまなざしとコピーのあわせ技で読んだ人をドキッとさせるのを目指したんですが・・・・・・うーむ。趣味として「それでもなお許容されていたい」という虚ろな願望を出してみたものだがつまりこれもう商品のコピーじゃねえ!!

 

 

 

 衣装ポエムで「マジック・アワー」が出てきたので、それに近いオサレ語感の気象用語を探して見つけた「ブルー・モーメント」を使った。しかしコピーは愛唱性も重要という点が完全に抜けていた。またブルー・モーメントを使いたすぎて前フリがおざなりである。

夕暮れや夜明けにごく僅かな時間のみ見れるという現象らしく、それにあったイラストを選択。結果的には放クラがもつ青春感、永遠感(概念)にうまく共鳴すればいいかな・・・と安直に出した。見直すのもはずかしい失敗作・・・。

 

 他の人の作品を見て、アイドルの名前をうまく組み込むとカッコいい!!ということに気づいてやってみたもの。それだけに発想がとどまってしまい、UVケア商品のコピーとしてもはや何を言いたいのか意味不明になってしまった。夏は昼だけじゃなく夜にもドラマが待ってるぜ!という方向に持って行きたかったんだが完全に方向性を間違えている。まぁ、こがたんのイラストでは1番すきなカードなのでそれでひとつ作れただけでも満足ということにしておく。

 

 逆に真正面から商品のコピーということを考えてトライしてみたいのがこっち。自分が日焼け止めを使うことがほとんどない人間のため、そもそも製品として訴求すべき要素も巷の例もほとんどわからなかったのでとりあえずアネッサの過去のCMを見まくった。「憂、燦々」は名曲だよなぁ。なおMV。

女性目線で、肯定感を出して、夏を楽しむ姿勢を意識した。研究をして臨んだため結果的には納得のいくものが作れた気がする。思いつきではなく練り込みって大事。でも遊び心のようなものに欠けている気がする。でもそうやって付与させすぎると結局まどろっこしくなりがち。コピーライターって職業の凄さを認識しましたね。

 

 

 いかんでしょ。

 

 お題は花火。天塵の直撃をうけ、あのエピソードのヤケクソみたいに美しいラストシーンになにを叫ぶのだろうかと考えて作ったネタ。個人的に気に入っている。「たまや」「かぎや」をど忘れした結果、「○○○や」のノリで透が「ハレルヤ」って言い出したら楽しいなとひとりでニヤニヤしていた。(そんなヤツおるか?)あの場面で、意図せず祈りの言葉を空へ投げていたとしたらそれもそれで美しいかなという勝手な願望も込めて。

しかし透という女の子を掴みきれていない感触の中で、かなり勝手な二次創作をしてしまったような後味もあり複雑な思いに駆られる。浅倉透、永遠にわからん。

 

 

 見返すと面白みがないなぁ。田舎の公民館前とかに貼ってあるような、地元のちいさな夏祭りのお手製ポスターみたいなノリをイメージして作った。考えて作るとついつい言葉を増やしてしまいがちだったので、欲望を振り払って極力シンプルなコピーを目指したんですが・・・・・・コピーとしては強いワードだったり視点だったり語感だったり情緒だったり、フックがないと見どころもないですね。

 

 

 

安易だけども・・・。動き出す一瞬の緊張のようなドラマ性を入れてみたかった。花火そのものではなくて花火によって不規則なリズムで照らされる相手の顔や響く音なんかを想起してもらえるようにしてみたかった。「合図」というワードでなにかこの次の瞬間にはじまるような奥行きを出したかった。

全部「かった」です。シチュエーションというか考え方自体は好み(まぁ自分で考えてるので当たり前)なんですがいまいち踏み込みきれてなかった感があり、花火大会×このイラストのネタでもっと自分なりに深堀りしたい。リベンジがしてぇ。たぶん次には正解が出せるんだ・・・。畜生・・・・・・。

同じイラストを使ってLINE上で友人と共作したものもありますが、今回の記事では割愛。

https://twitter.com/sazanami233/status/1292481989002457089

 

 

 

 

以上。なんのイベントもなかった2020年、夏。めちゃめちゃ楽しい記憶をくれた企画でした。

まさか公式提供のもとでシャニマスオタク同士でポエム合戦ではしゃげる夏が、そんな夜が来るなんて。楽しすぎるでしょ。絶対に来年もやってほしいです。ツイッター上で恥ずかしげもなく性癖にじませながらまたポエムづくりをしたいんです。今度はもっとマジメにやるから・・・・・・いやどうかな・・・・・・。

目標をもってコンクール企画的なものに挑んだことも久しぶりで、いい刺激になりましたね。結果できあがったもんは上の通りで、納得のいくものばかりではないですが、
これは、こんなでも、おれの夏の証明なんですよ……

 

9月16日。今日はノクチルのCDデビューの日でもあります。

 

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2020年の夏、終わったなあ。この夏のエンドロール「あの花のように」を聞きながら今日は終わります。来年の夏にはイベントもいけるようになっているといいですね。

 

#シャニマスサマーアイドル2021

 

 

 

THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 07

THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 07

  • アーティスト:ノクチル
  • 発売日: 2020/09/16
  • メディア: CD
 

 

ブルースターとカルペディエム 『きみが死ぬまで恋をしたい』3巻

 

 

 

百合姫掲載のファンタジー作品の第3巻。感想です。

いよいよ本領発揮というべきか、1巻から要所要所で漂わせてきた血生臭さ、搾取される青春、喪失の予感―――物語が正しく恐ろしく加速している。

それは、もういつもどおりなんて事はありえない現実を突きつけてくる。

 

もともと作者さんの作品が好きで(短編集『あの子に優しい世界がいい』から)本作も1巻からおってきていましたが、正直この3巻を読んで一番テンションが上がってきた。

 

 

はじめてブログで取り上げるのでさくっとあらすじを紹介。

舞台は魔法学校。しかし孤児院も兼ねたその施設の目的とは、身寄りのない子供を引き取り教育を施すことで「魔法兵器」に仕上げること。

人殺しのため、戦争のため、生徒たちは死ととなりあわせの閉ざされた日々を送っている。

ルームメイトが突然の死を迎えた主人公シーナだが、新たなルームメイトのミミとの共同生活が始まる。

しかしミミは学校の"特別製"であり、教師よりも強力と言われるほど飛び抜けたパワーをもつ不思議な女の子だったのだ。

 

 

本当は戦争になんていきたくない。いたいのはきらい。だれも失いたくない。

どうしてみんな、そんな普通にすべてを受け止めているの?

ミミとの交流から少しずつ自らの心境の変化を自覚しつつも、つねに喪失の予感をにじませながら物語は進み、現在第3巻。冒頭で書いたとおり、いよいよエンジンがかかってきたという感じです。

そも作品名が「きみが死ぬまで恋をしたい」である。最初から離別が込められたタイトルになっているわけで、このシナリオは織り込み済みだったに違いない。シーナの身体の特性を思うとこの作品における「死」の描き方はいろんなパターンも考えられるけれど。

 

切り札として戦場に投入されるミミは、死ねない肉体を持っている。

圧倒的な破壊力を持ちつつ回復能力も凄まじい。そりゃあ秘密兵器とも呼ばれるよな、ひどいスペックしてやがる。

読者はすでに知っていることだが、シーナは3巻にてようやく日頃ミミがボロボロになるまで"酷使"されている現実を知る。けれど何もすることはできない。ただ祈るようにお願いをするしかないのだ。

「ケガしないで帰ってきて」と。

ミミもその言葉をたいせつにうけとってくれる。けれど今はまだ、どうしようもなく兵器としての生き方しかできない。

 

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この純粋なまなざしが逆に酷だ。

この3巻は主人公のシーナ・ミミのペアのほか、セイラン・アリのペアが輝いている。というかむしろセイラン・アリのペアこそが3巻の主役だ。

そのセイランがミミに「なんのために戦うのか」と問いかける場面もある。はじめての友達シーナと以外でもミミの内面は揺れていくのだろう。これは4巻以降の変化を楽しみにしたい部分。

 

 

 

さてセイラン・アリのお話。

これがね・・・・・・いやぁ・・・・・・刺さったなぁ・・・・・・。めちゃめちゃ良かった。月並な言い方になってしまって陳腐なんだけれど、本当に好き。

2人をフィーチャーした3巻末の番外編「ひだまり」があまりにもやさしくて、美しくて、残酷だ。あざやかエンドロール。最高。読み終えてテンション上がりすぎてこの記事書きだしたレベル。

ここからはネタバレを含む記述になるので注意で。

 

 

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この2人の関係性がメチャツボって話をします。

セイラン(黒髪のほうです)は生真面目で気負いがちな女の子なのですが、アリ相手にはこんな柔らかに微笑んでくれる。ほんとうは年相応にかわいいものが好きできれいなものが好きで、でも自分には似合わないからって遠慮しがち。思春期か?思春期だよな・・・。

アリはそういう彼女のよわい部分も全部知った上で、でもあえて口にはしない。包み込むように彼女に接し、そしてセイランもそこに甘えるように心を開いていく。

 

セイランの努力が認められてか、ミミとの模擬戦の話がもちかけられる。そしてその先には実践が待つ。不安に陥りながらも、自分の使命を果たすために戦場へと進んでいく。彼女の無事の帰りを待つアリは、セイランにペンダントを渡していた。

 

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第14話冒頭より。 ここが凶悪。ひでぇことしやがる。

何らかのメッセージを魔法で刻んだペンダントだ。ここではこのメッセージはわからない。そして巻末の番外編「ひだまり」を読んでも、はっきりとした答えはわからない。けれど「ひだまり」で描かれているアリの内面描写にそのヒントが散りばめられている。

 

自分につけたはずの髪飾りを「わたしなんか似合わないよ」とアリにわたす。本当は自分がしたいのに恥ずかしくてできないセイランのために、一緒にペディキュアを塗った。

もっと甘えてほしかったんだ。もっとよわむしになってほしかった。もっと普通の女の子でいてほしかった。もっとずっとそばにいてほしかった。でもそれができない女の子だと分かっていて、その叶わない願いを込めてペンダントを渡していたのだ。

結局、どちらともが本当にしたいこと言いたいことを秘密にしていた。でも言葉にしていないだけでその秘密は筒抜けだった。見透かし合って、見透かされ合っていた。

 

セイランは、そのお守りがわりのペンダントにアリが込めた言葉を知っていたのだろうか。それはこれから語られるかもしれないし、語られないかもしれない。

自分なりの考えを書くと、「行かないで」じゃないだろうか。

その言葉をずっとアリは言えなかった。行ってしまうセイランに「行かないで」とメッセージをこっそりと渡していたとしたらとても美しく、アリらしいのではないだろうか。「ひだまり」のラストシーンはペンダントにメッセージをしたためる場面だと思われるが、その直前のモノローグは

 

セイラン あなたが

あなたがもっと弱虫なら

私もわがままを言えたのに

 

行かないでって

 

 最後までいうことができなかったアリのちいさなわがまま。それは何よりもセイランの幸せを願うわがままだった。モノローグにはそのいじらしい感覚がたっぷりと閉じ込められていて、セイランの命が消えてしまったあとにこれを読ませるという鬼畜の所業よ。願いは、届かなかったのだから。

3巻は悲劇的な結末を迎えた少女が真正面から描かれたのだけれど、あまりに美しいのだ。最低限の言葉と伏線だけがあり、悲劇がうんだ静寂にものさみしく反響している。余韻が素晴らしい・・・・・・。

 

 

正直いってメイン級のキャラクターがこんなに早く退場するとは正直予想していなかったので、かなりドキリとさせられた。でもこんなに鮮やかに喪失を描かれては、テンションあがるしかなかった。

 

余談だが2巻でパートナーを失った16クラスのエスタさんが再登場し、セイラン・アリのペアを見つめていたのも印象的な場面だ。

 

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この世界は、あたりまえのように誰かが死んでいく。毎朝のクラスルームで友人の死亡報告を聞かされる。そんなことはもはや珍しくもない。

そんな世界においても喪った人々はその傷を抱えて生きていく。次に死ぬのは自分かもしれないし、大切な誰かかも知れない。けれど彼らはそのために施設に入り教育を受けている生徒だ。逃れることも容易ではない。
残されたアリについての描写も、痛ましいが目が離せないポイントに違いない。4巻が楽しみ。

 

 

国の状況がどうなっているのか、なにを争い他国との戦争状態になっているのか、これは未だはっきりとは語られていない。今後も明言はされない可能性も高いと思われる。

けれど重要なことは、孤児を兵器として育成し戦場へ投入することを良しとするほどに切迫しているということだ。

その中で2巻第8話などで語られている禁術「蘇生魔法」は物語の根幹となっている要素と思われる。ミミの行く先にも影響する要素なのでここの秘密もどう描かれるのか。

 

とてもシリアスな物語だが、だからこそ一時の安らぎが描かれる場面にはとても心が癒やされます。

日常パートでほっこり柔らかな気分にさせてもらいながら、一気に揺さぶりをかけていく読み心地。その描き方も過剰にヒステリックなのではなく、シンと静まった深い哀しみが見事に表現されていて雰囲気をより奥行きのあるものにしてくれている。

 

最後に個人的に好きなシーンを紹介して終わります。 

ミミに持たせるための花を摘んだシーナ。ミミは大きな花かんむりを。そして自らには小さな青い花を。

 

ブルースター」の花言葉は「幸福な愛」「信じあう心」。

 

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いつ死んでもおかしくないこの世界。ここで生きる意味は。戦う意味は。
極限の状況下で、不安定な心をもちよって重ねていく少女たち。

 

 比較的スローな連載ですが、この3巻を読んでぜったい最後まで見届けようと決意しました。

 

 

 

 

あおのなち先生の過去作、短編集もおすすめです。昔記事も書きましたが、かなりバラエティに富んでかつエモい、魅惑の作品集。